【企画倒れゼロへ】Gemini/ChatGPTで、”応答”から”実行プラン具体化”まで一気通貫にして解像度を上げていく

新しいプロジェクトや業務改善を考えたとき、素晴らしいアイデアが浮かんだのに、”何から手をつければいいのか分からない”・”具体的な行動に落とし込めない”と感じることがあります。多くの企画が最初の段階で立ち止まってしまいいわゆる”企画倒れ”に終わってしまいます。ここで生成AIを”あなたの作戦参謀”として活用することで、この課題を解決することができます。

目次

なぜ生成AIは「企画倒れ」を防げるのか?

「企画倒れ」の最大の原因は、漠然としたアイデアから、具体的な実行計画へのギャップを埋められないことにあります。

生成AIは、このギャップを埋めるための強力なツールです。

従来の検索エンジンが「答え」を提示するのに対し、生成AIは「思考プロセス」を支援してくれます。

たとえば、「飲食店の会計システムを効率化したい」という漠然とした相談でも、AIは以下のように具体的な質問を投げ返してくれます。

  • 現在の会計システムの課題は何ですか?
  • どの業務(レジ、経費精算、給与計算)を特に効率化したいですか?
  • どのようなツール(Airレジ、freeeなど)の導入を検討していますか?

対話を重ねることで、あなたの頭の中にある断片的な情報が整理され、課題が明確になっていきます。

生成AIは単なる情報提供者ではなく、あなたの思考を整理してくれる有能な壁打ち相手であるといえます。

システム移行を例にしたAIワークシート作成プロセス

ここでは、飲食店の会計システム移行というサンプルユースケースを用いて、生成AIがどのように「実行可能なワークシート」を作成するかを解説します。

このプロセスは、他の業務改善プロジェクトにも応用可能です。

【ステップ1:AIへの具体的な問いかけ】

まず、AIに以下のような具体的な背景情報と要望を伝えます。

飲食店で、「レジ→Airレジ、経費→カード連携、預金とクレカなど全般的な会計データ→freee、給与→社労士さんへ勤怠などの月ごとに情報連絡」というシステム移行について、具体的に実行するにあたって、打合せや実行に向けて進めていくためのワークシートを作成してください。 

【ステップ2:AIが提示するワークシートの具体例】

この問いかけに対し、AIは以下のような、より詳細で具体的なワークシートを生成します。

飲食店向けバックオフィスDXプロジェクト:打ち合わせ・進捗管理ワークシート

分類項目内容 / 具体的な作業内容担当者ステータス備考
プロジェクト概要プロジェクト名〇〇(店舗名)バックオフィスDXプロジェクト
目的・ゴール・手作業によるレジ締め、売上集計業務の撤廃
・リアルタイムでの売上
・経費状況の可視化
・経費精算業務の効率化とペーパーレス化
・給与計算業務の属人化解消と効率化
「何のためにやるのか」を明確にします
対象範囲・レジシステム:現状 → Airレジ
・会計システム:現状 → freee会計
・経費精算:現金・立替 → クレジットカード連携
・給与計算:内製 → 社労士へアウトソース
プロジェクト期間開始日:202X年〇月〇日
完了予定日:202X年〇月〇日
全体責任者〇〇 〇〇(例:店舗オーナー)
主要な関係者・店舗担当者:〇〇
・会計担当:○○
・社労士:〇〇
1. 計画・準備1-1. 関係者キックオフプロジェクトの目的、ゴール、スケジュールを共有全員未着手
1-2. ハードウェア選定・購入iPad、カードリーダー、レシートプリンター、キャッシュドロワー等店舗未着手
1-3. 各種サービス契約Airレジ、freee会計、インターネット回線等の申込み店舗未着手
1-4. 社労士との契約・連携範囲確認勤怠データの連携方法、給与明細の配布方法などを決定店舗/社労士未着手
1-5. 経費精算ルール策定法人カードの利用範囲、利用方法などのルールを決定店舗/税理士未着手
2. 導入・設定2-1. Airレジ初期設定アカウント開設、店舗情報登録、メニュー(商品)登録店舗未着手
2-2. freee会計初期設定アカウント開設、基本情報登録、勘定科目設定税理士未着手
2-3. 口座・カード連携銀行口座、クレジットカードをfreeeに連携店舗/税理士未着手
2-4. Airレジとfreeeの連携設定売上データが自動でfreeeに登録されるように設定税理士未着手
2-5. 勤怠管理方法の決定(例)Airシフト、勤革時など、社労士推奨のシステムを導入店舗/社労士未着手
3. テスト・研修3-1. Airレジ操作テストテストモードで注文受付〜会計〜レジ締めの一連の流れを確認店舗未着手
3-2. データ連携テストAirレジの売上が正しくfreeeに反映されるか確認店舗/税理士未着手
3-3. スタッフ研修全スタッフ向けにAirレジの操作研修を実施店舗未着手
3-4. 業務マニュアル作成新しい業務フローのマニュアルを作成店舗未着手
4. 本番稼働4-1. 稼働開始日決定全員未着手
4-2. データ移行(必要に応じて)旧システムから顧客情報などを移行店舗未着手
4-3. 本番稼働開始全員未着手
4-4. 稼働後サポート稼働初日〜数日間は、トラブル対応ができる体制を整える店舗/税理士未着手
5. 運用・改善5-1. 月次締めフローの確立freeeでの月次チェック、試算表の確認フローを定着させる店舗/税理士未着手
5-2. 運用ルールの見直し実際に運用してみて発生した課題を元に、ルールを改善全員未着手
課題管理No.1 (課題内容をここに記載)(担当者)(ステータス)重要度:高/中/低
No.2 (課題内容をここに記載)(担当者)(ステータス)重要度:高/中/低
No.3 (課題内容をここに記載)(担当者)(ステータス)重要度:高/中/低

このように、AIは単なる「回答」ではなく、実行可能な「ツール」を提供してくれます。

これにより、私たちは「何から始めればいいか」という悩みをスキップし、いきなり「具体的な行動」を考えることができるのです。

AIにワークシートまで作成してもらうことのメリット

一気通貫にワークシートまで作成してくれることで、以下の3つの大きなメリットがあります。

  • 実行の解像度が劇的に上がる
    漠然とした課題が、具体的なタスク、担当者、期限へと明確になるため、誰が何をすべきかが一目でわかります。
  • 議論がスムーズに進む
    打ち合わせの議題が明確になるため、無駄な話し合いが減り、本質的な議論に集中できます。
  • プロジェクトの進捗管理が容易になる
    チェックボックスや期限が設定されているため、進捗状況を参加者全員で共有し、遅延を防ぐことができます。

生成AIは、単なる検索ツールやチャット相手ではなく、私たちの思考を整理し、漠然としたアイデアを具体的な行動計画に落とし込んでくれる”作戦参謀”ともいえます。

今回のシステム移行の例のように、複雑な課題であっても、生成AIと対話することで、一気に実行の解像度を上げることができます。

このワークシートはあくまで一例に過ぎず、課題に合わせて生成AIを”優秀な作戦参謀”として活用することで、アイデアを迅速に具体化していくことができそうです。

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