”あれもこれも解決しなきゃ”と、ひとりで抱え込んで頑張りがちです。目の前の問題に振り回される前に、まずは立ち止まって”たった一つの鍵”を見つけてみます。今回は、心を整えながら本質を見抜く思考法を考えます。
和仁達也著「コンサルタントの言語化力」(かんき出版)を参考にして。
「センターピン」を見つけることで、問題は自然に解けていく
ボウリングで、真ん中にある一番ピンを倒すと周囲のピンも連鎖的に倒れていくように、課題にも「ここさえ押さえれば解決する」という核心があり、これを「センターピン」と呼びます。
私たちは問題が起きると、つい”あれもこれも”と手を出してしまいがちですが、労多くして益少なしになりかねません。
大切なのは、すべての課題を均一に捉えるのではなく、優先順位を正しく見極める視点を持つことであると考えられます。
たとえば、”若手社員が会議で発言しない”という悩みに対し、無理に発言ルールを作るのは一時的な「対症療法」にすぎません。
よく話を聞いてみると、実は”何を言っても否定される”という環境が原因(センターピン)である場合もあります。
本当の鍵を見つけることができれば、無理に頑張らなくとも、状況は自然と良い方向へ動き出します。
心のモヤモヤを整理する「4つのステップ」
本当のセンターピンは、目に見える場所に立っているとは限りません。
そこで、相手や自分の心の中に隠れている”本当の願い”を丁寧に見つけるための、4つのステップを詳しく見ていきましょう。
1.タイトルを決める
まずは、今の悩みにいったんラベルをつけてみます。
”部下が動いてくれない”というお題であれば、”部下を自走させるには?”といった形です。
自分自身でタイトルを決めることで、他人事だった悩みが「自分の課題」へと変わり、前向きに取り組めるようになります。
2.現状を知る
このステップが最も重要です。
5W2H(いつ、どこで、誰が……など)の問いを使い、映像が頭に浮かぶほど詳細に今の状況を言葉にしていきます。
丁寧に今の状況を整理していくうちに、”自分はここで困っていたんだ”という隠れた本心に気づき、センターピンが見つかることがほとんどです。
3.理想を描く
現状が整理できたら、一度悩みから目を離して「こうなったら嬉しい!」という理想を考えます。
「10年後はどうなっていたい?」といった未来に目を向ける問いかけは、思考の枠を外し、心を前向きに整えてくれます。
4.条件を探す
最後に、理想を現実にするための「条件」を以下の3つの視点で整理します。
| 視点 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 能力 | スキルや知識 | そもそも「やり方」を知っているか?基礎を学ぶ必要があるか。 |
| 行動 | 具体的な動き | どんな「習慣」を取り入れるか?実際に手を動かしてみる。 |
| 環境 | 場や仕組み | 自然にやりたくなる「場所」か?努力せず変えられる最も効果的な要素。 |
特に「環境」は、自分の努力に頼らずに状況を改善できるため、非常に効果的なアプローチです。
「言い換え」の魔法で、今の自分を言葉にしてみよう
いきなり核心は何だろう?と難しく考える必要はなく、まずは、今のモヤモヤを言葉にしやすい形に”言い換える”ことから始めてみます。
思考を整理するテンプレート
うまく言葉にできないときは、以下のフォームに言葉を当てはめてみるのがおすすめです。
- 「〇〇を〇〇するには?」
(例:「最近やる気が出ない」→「家で勉強時間を捻出するには?」) - 「〇〇なので〇〇という不安(ストレス)がある」
(例:「上司が不機嫌なので、怒らせないかと不安である」)
納得感を高める「言い換えスキル」
また、自分や相手の話を整理するときは、「つまり、こういうこと?」と別の言葉で置き換えてみます。
- 「それは、つまり〇〇ということでしょうか?」
- 「別の言い方で言うと、〇〇ということでしょうか?」
このように「つまり」を使って言い換えてみると、バラバラだった思考の断片がパズルのように組み合わさり、自分自身が「本当に大事なこと」に気づけるようになります。
解決策を急いで出すことよりも、まずは今の状況を正しく言葉にし、客観的に見つめること。
正しい現状把握ができれば、問題の9割は解決したも同然です。
自分自身の言葉で「センターピン」を見つけたその瞬間から、心地よい変化が始まります。
