”好きであること”と”買いたいと思うこと”には、差があります。
西口一希著「実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)を参考にして。
”ブランディング”について考える
ブランディングという要素は聖域化されがちですが、具体的に考えてみる必要があります。
「商品の選好」ということについて考えみる場合、「好きであるかどうか」ということと「次、買いたいと思うかどうか」ということは、明確に異なるものであると考えられます。
あるあこがれのお店を好ましいと思っていても、高単価であると購入には二の足を踏んでしまうということがあります。
また、一見、好ましい・買いたいという要素が揃っていたとしても、別の競合の新しい店ができたら、”買ってみたい”と引き寄せられてしまう可能性もあり、その予兆についてはかなり意識していなければ、捉えることが難しいと考えられます。
事業である限り、”好かれること”よりも、”次も買いたい”と思ってもらうことのほうが重要と考えられます。
”話題のCM”・”SNSでバズる”と”売上”には差がある場合もある
上記から具体的に考えるに、”話題のCM”としてメディアに取り上げられていても、”SNSでバズって”いても、必ずしも売上の増加に繋がらないという場合も考えられます。
その原因を考えてみるに、”売上の増加には今は繋がっていなくともブランディングには効いている”という考えが成り立ちうるかどうかといわれると、現実問題として、事業においては、売上の増加に繋がっていないという限りは、それをよしとすることは難しいということになると考えられます。
広告自体が人気であっても、”その商品を買いたい”へと繋がらなければ意味はなく、広告自体に評価を得ただけで、それは商品のブランディングとしては成り立ち得ないともいえます。
リサーチをする際にも、広告が好きであるということ(広告の選好)と、商品を買いたいと思うこと(商品の選好)とは、別のものであり、見誤らないようにしたいところです。