”好きであること”と”買いたいと思うこと”には、差があります。
西口一希著「実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)を参考にして。
目次
ブランドイメージが上がったからといって、”買いたい”にはならないことも
”好き”と”買いたい”の差には何があるのか。
”好き”、すなわち、ブランドイメージには、機能、便益、擬人的要素など様々なものがあります。
- 革新的
- 技術力がある
- おしゃれ
- センスが良い
- 上質
- 高級な
- 信頼できる
- 友人のような
ただ、これらのブランドイメージが向上したからといって、”買いたい”に結びつくかというと、結びつかない場合も考えられます。
”好き”と”買いたい”の差にあるもの
広告で、例えば、革新的!などと謳うことでイメージがアップしたとしても、”買いたい”には結びつかないとしたら、その差には何があるのか。
それは、「お客様にとっての便益」と考えられています。
たとえイメージがよくとも、お客様にとっての便益として引き寄せられるものがなければ、購買意欲にはつながらないということになります。
(例えば、今使っているスマホに満足していれば、革新的なスマホが出たとしても、買い替えるまでには至らない。)
逆に、”買いたい”という視点で、ブランドイメージを考える場合、以下との相関関係が重要と考えられています。
- プロダクトアイデア(独自性と便益)としての「便益」
- 独自性のある商品機能に関するブランドイメージ
例えば、”保湿”という便益については、”独自性のある成分”という機能、という繋がりです。
お客様の層によっても見極め方が変わる
これは、お客様の層によっても見極め方は変わると考えられます。
例えば、積極的なロイヤル顧客の層に受けているブランドイメージを取り上げていったとしても、それ以外の顧客層には何ら響かないことも考えられます。
よって、各層において、”買いたい”と思ってもらえるようなことにつながるブランドイメージなのか見極める必要があると考えられています。
顧客分類
ロイヤル顧客(積極) | 大量にリピート購入してくれており、顧客として失うリスクは低い層 |
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ロイヤル顧客(消極) | 大量のリピート購入してくれているが、顧客として失うリスクが高い層 |
一般顧客(積極) | 購入量は少ないが、着実に購入してくれ、ロイヤル顧客となる可能性が高い ※購入量が少ない理由(他社のロイヤル顧客、リーチが少ない、独自性を感じてもらえていないなど)を解決すれば、ロイヤル顧客へと移行してくれる |
一般顧客(消極) | 購入力は少なく、離脱の可能性のある一過性のお客様 |
離反顧客(積極) | 商品のことは好きだが、何らかの理由で購入しなくなったお客様 ※購入しなくなった理由(競合にスイッチ、転居などでリーチできないなど) |
離反顧客(消極) | 競合にスイッチした・需要がなくなったなどで購入しなくなったお客様 |
認知・未購買顧客(積極) | 独自性・便益が浸透していない、購入のきっかけがない、リーチに入っていない、認知がないお客様 |
認知・未購買顧客(消極) | 独自性・便益が浸透していない、購入する理由やきっかけがないお客様 |
未認知顧客 | 商品の認知がなく、購入までのハードルが高いお客様 |