お客様の感情を動かす「エモーショナル・マーケティング」の基本を学ぶ。
神田昌典著「あなたの会社が90日で儲かる!感情マーケティングでお客をつかむ」(フォレスト出版)から学ぶ。
”売れない”、5つの思い込み
”よい商品を作って、一生懸命営業すれば必ず売れるはず”。
真面目な会社ほどそのように思いがちですが、現実には誠実な企業が資金繰りに苦しみ、反対に、品質の悪い商品を売る業者が利益を上げているケースというものが多々あります。
なぜ、このような逆転現象が起きるのか?
それは、正直な会社ほど、「そのよい商品力に甘えて、”売り方”の研究を怠っているため」であると考えられます。
かつては常識とされていた精神論や営業手法が、現代の成熟した市場では全く通用しなくなっています。
以下は、真面目な人が陥りがちな「5つの失敗の理由(思い込み)」です。
| 陥りがちな思い込み | 実際のビジネスにおける”現実” |
|---|---|
| ①一生懸命頑張れば売れる! | どんな商品にも「ライフサイクル」があり、成熟期を過ぎた商品はいくら汗をかいても反応率は下がります。 |
| ②安くすれば売れる! | 安売りは「消耗戦(大手との体力勝負)」を招くことに。 |
| ③うまく説明すれば売れる! | 長々と商品説明(プレゼン)をすると、お客様は「売り込まれている」と警戒します。 |
| ④気に入られれば買ってもらえる! | 無駄にへりくだることはお客様との間に不平等な関係を生み出します。時には断る勇気(=希少性の演出)が成約を生みます。 |
| ⑤チラシで効果がないのは有名じゃないからに違いない! | 論理や価格ではなく、「好き・嫌い(感情)」で判断されます。 まずは商品よりも先に「人(=安心感)」を売る必要があります。 |
絶対的な価値と、お客が感じる価値の違い
価値には2種類あることを理解しておく必要があります。
それは、「絶対的な価値」と「お客が感じる価値」です。
- 絶対的な価値
値札に書かれた価格。つまり、売り手が決めた客観的な価値です。 - お客が感じる価値
お客様自身が「これはお得だ!」「これを買ったら損するかも」と感じる主観的な価値観です。
お客様は、「自分が感じる価値」が「絶対的な価値(支払う金額)」を上回ったときに、初めて購入を決断します。
つまり、アプローチとして、「お客が感じる価値を高めること」が鍵になります。
この「感じる価値」をどう高めるかに知恵を絞ることが、ビジネス成功の鍵となります。
「感情」と「理屈」のカラクリを理解しておく
皮肉なことに、商品が悪い会社ほど、どうすれば売れるか(マーケティング)を死に物狂いで研究します。
商品を正面から説明すれば品質の悪さがバレてしまうからです。
ここであえて学ぶべき最大のポイントは、営業マンとお客様の間にある”購買心理のズレ”です。
多くの真面目な営業マンは、「人間は論理的に判断するから理屈が通れば購入するはずだ」と信じてやみません。
商品のスペックやメリットを論理的に組み立てて、一生懸命に理屈で説得しようとします。
しかしながら、これは大きな勘違いであり、人間は理屈では買いません。まずは感情で評価し、その後に理屈で正当化します。
多くの場合、最初に「あの商品に興味がある!」という感情(エモーション)があります。そして、営業マンにスペックを質問するのは、その「欲しい」という感情を正当化するための理由(理屈)を集めているに過ぎないのです。
ここで順番を間違えると致命的になります。
お客様がまだ欲しくない(感情が動いていない)タイミングで、商品のスペックや安さ(理屈)をアピールして説得しようとすると、お客様は「売り込まれる!」と警戒して、堅い心のバリアを張ってしまいます。
あくまで、商品説明の最適なタイミングは、お客様に「欲しい」という感情が生まれた瞬間です。
まずお客様に話をしてもらい、「欲しい」という感情(エモーション)が育つまで待って、感情が生まれた時に初めて商品説明を行い、お客様自身に自己説得(理屈による正当化)を促す、というのが正しい順番なのです。
できる営業マンほど「しゃべらない」といわれるのはこのためです。
つまり、タイミングを見極めて、相手の感情のスイッチを押すことさえできれば、お客様はおのずと自ら購入の理由を見つけ出してくれるということになるのです。
エモーショナル・マーケティングで「最強の会社」になる
「真面目にやっているのに儲からない」というのは、品質や情熱に問題があるのではなく、お客様の感情に働きかける”販売の技術”だけであるという可能性もあります。
販売の技術において大事なのは、「お客の感情的な反応(エモーショナル・レスポンス)を起こすこと」であると考えられます。
