お客様の感情を動かす「エモーショナル・マーケティング」の基本を学ぶ。
神田昌典著「あなたの会社が90日で儲かる!感情マーケティングでお客をつかむ」(フォレスト出版)から学ぶ。
営業マンのやる気は、”システム”で出す
多くの経営者は「営業マンを教育してプロに育てよう」と苦心するものの、重要なのは、個人の能力に依存せず、新人でも成果が出る「営業プロセス(システム)」を構築することであると考えられます。
そのシステム構築には、大きく分けて「2つの段階」があるとされます。
【第1段階】チラシや広告の反応を上げる(言葉の工夫)
最初のステップは、既存の広告やチラシの反応率を高めることです。
- 計測の徹底
オファー(特典)を付け、どの広告から何件反応があったかを計測します。 - 反応の最大化
顧客の感情にフォーカスした言葉選びにより、まずは”手を挙げてもらう”確率を上げます。
【第2段階】購買心理に沿った「階段式の設計図」を作る(成約の自動化)
集まってきた見込み客をスムーズに成約へ導くためのステップを設計します。
- 低い階段の設置
資料請求やサンプル請求など、顧客が自発的に登れる「低い段差」を用意します。
営業マンを活性化させる「真のマネジメント」
営業マンのやる気をどう引き出すかに悩むリーダーは多いものの、やる気を出すのは精神論ではないとされます。
営業マンのやる気を出す最も簡単な方法は、すでに購買意欲が高まっている「成約しやすい客」を渡してあげることであると考えられます。
売れる切り口を発見する「ニーズ・ウォンツ分析」
商品が売れない最大の理由は、商品の「切り口」が間違っていることにあります。
顧客の心理を二つの軸で捉え、売れるポジションへと戦略的に移動させるようにします。
「ニーズ(必要性)」と「ウォンツ(欲求)」の違い
まず、人間は「必要性(ニーズ)」だけでは商品を買わないという事実を理解しなければなりません。
行動を引き起こすには「欲求(ウォンツ)」が不可欠です。
- ニーズ(必要性)
「〜しなければならない」という義務に近い状態。 - ウォンツ(欲求)
「〜したい」「〜が欲しい」という強い感情。
4つのセグメントと移動戦略
顧客の状態を「ニーズの高低」と「ウォンツの高低」の二軸でマトリックス化すると、四つの領域に分類されます。
最も効率よく売れるのは、右上に位置する「ニーズもウォンツも高い領域」です。
- 右上:ニーズ高・ウォンツ高(必要性を感じ、かつ、欲しい)
すでに購入の意思が固まっているため、迷いを取り除き、スムーズに成約へと導く「クロージング」に集中します。 - 左上:ニーズ高・ウォンツ低(必要性は感じるが、欲しくない)
「きれいになれる(快楽)」や「放置すると大変なことになる(苦痛)」を強調し、ウォンツを高めて右上へ移動させます。 - 右下:ニーズ低・ウォンツ高(欲しいが、必要性がない)
「資産価値がある」「仕事の信頼につながる」といった必要性を補強し、右上へ移動させます。 - 左下:ニーズ低・ウォンツ低(必要性もなく、欲しくない)
まず必要性を押し上げ、同時に欲求を刺激するという二段階のステップが必要です。
欲求(ウォンツ)を刺激する二つのタイプ
顧客を動かす欲求には、大きく分けて二つのパターンがあります。
- 快楽を求める欲求
「もっと美味しく」「もっと美しく」といったポジティブな変化を求める感情。 - 苦痛から逃れる欲求
「重い荷物を運びたくない」「将来の不安を解消したい」といった不快な状態から脱したい感情。
消費者の感情を多面的に分析し、「どの切り口なら顧客は右上のボックスに移動するか」を仮説・検証し続けることが近道となります。
感情を動かす「認知不協和」と「緊急性」
「認知不協和」と「緊急性」という2つの要素を考えてみます。
認知不協和(心のバランスを崩す)
人間はバランスが崩れたものを見ると、それを修正せずにはいられない性質を持っています。
- 例: ビジネス書らしからぬ「ショッキングピンク」の装丁。コピー機で刷ったような手作り感のあるDM。
- 効果: 「なんだこれは?」という不協和が起き、バランスを回復するために行動を引き起こします。
緊急性(今すぐ行動する理由を作る)
どんなに良い提案でも、人は「後でいいや」と先延ばしにします。
- 例: 「52時間後に迫っています」などの具体的な期限設定。
- 効果: 「今判断したい」という心理状態を作り、アクションを促します。
