生成AIは単純に業務効率化のツールというわけではなく、私たちの「思考」を深く鮮明にするパートナーといえます。Geminiなどの生成AI活用を通じて感じた「情報の理解・分解・出力」という知的プロセスの変化と、人間が真に担うべき役割について感じたことについて。
思考の言語化と理解の深化
Geminiをはじめとする生成AIを活用して最も驚かされるのは、自分の頭の中にあったモヤモヤとした思考を言語化サポートしてくれるという体験です。
これまでは、ふと疑問に思ったことや知識不足でよく分からなかったことや違和感があっても、調べる手間や時間がハードルとなり、”まぁいっか”と流してしまうことが多々ありました。
ただ、Geminiなどの生成AIがあれば、その場で壁打ち相手になってもらえるので、疑問を掘り下げるための”最初の足がかり”を簡単に得ることができます。
- 思考の解像度が上がる
曖昧な言葉の断片や感覚をAIに投げかけることで、論理的な言葉として紡いでくれる。 - 「問い」の質が変わる
納得できるまで深掘りでき、表面的な理解で終わらせずに、本質に到達しやすくなる。
結果として、生成AIを使うことで、私たち人間は思考を放棄するのではなくて、これまでなら”通り過ぎていたであろう、小さいけれども重要な感覚的な引っかかりや疑問や違和感に対して、気軽に立ち止まることができ、より深く物事を捉え、考えられるようになるように感じます。
知的生産プロセスの変化と役割の転換
Geminiなどの生成AIの登場により、私たちが情報を扱い、成果物を出すまでのプロセスが変わりつつあるように感じます。
ただ、それは単に”人間が楽できる”ということでもありません。
従来とAI時代の知的生産プロセスを比較すると、人間がエネルギーを割くべきポイントが「作業」から「判断・創造」へとシフトしているように感じます。
| プロセス | 【Before】 従来のやり方 | 【After①】 AIの役割 | 【After②】 人間の役割 |
|---|---|---|---|
| 情報の入手 | 検索し、多数のページを読み込む | 膨大な情報から抽出してくれる | 抽出された情報の真偽確認(ファクトチェック)と情報の選別 |
| 理解・分解・分析 | 自分の頭で整理・構造化する | 複雑な情報を分析・構造化してくれる | 分析結果への独自視点の付与と文脈の補完 |
| 出力・表現 | ゼロから文章や図を作成する | 目的に合わせた素案(たたき台)を作成してくれる | 成果物の最終判断(意思決定)と、感情・熱量の注入 |
手足を動かすマニュアル時間が減るものの、その分「出力されたものが正しいか」・「目的や感覚に合致しているか」・「もっとこうできるのではないか」などを判断する高度な知識や能力が求められるようになるように思います。
「人間がすべきことが減る」というよりも、「質的に入れ替わっていく」感覚に近いものがあります。
真偽を判断するにはそもそも正しい知識や違和感を感じる嗅覚が必要ですし、これを強調したいという思いや情熱も必要です。
むしろ質的にもスピード(=量)的にも、より深く、精度の高いサイクルが求められる気がしています。
人間の役割を踏まえる
Geminiなどの生成AIは、人間の知性を拡張する強力なブースターといえます。
情報の入手から伝達までのプロセスにおいて、AIは圧倒的な速度で「素案」や「分析」を提供してくれます。
ただ、そこに「人間としての意思」を宿らせて、最終的な「その人の成果物としての価値」というラベルをつけて世に送り出すのは、依然として人間の役割でもあります。
- AIが出した答えに対し、自身の経験や感情に基づいた「情熱」や「文脈(ストーリー)」を加えること。
- 論理だけでは割り切れない、人間味のある「感覚や表現の広がり」や「熱量」を吹き込むこと。
これからの人間は、AIといかに協働し、AIが出してきたボールをどう打ち返すかという「指揮官」としての高度な能力が求められるように感じます。
”AIに任せて終わり”では(コモディティ化するため)到底ダメで、その人がGeminiなどのAIとともにどこまで深く潜れるのか。
他人との強い信頼関係のもとに、質的にも量的にもこれまでの人間離れした所作で深堀り・量産し、価値を爆上げしていく。
そこへの探究心(=他の人に役に立ちたいという強い気持ち)が、これからの時代に価値あるコンテンツを生み出す鍵となりそうです。
