【Gemini活用術】もう指示待ちAI卒業!AIが積極的に業務改善を提案してくれる設定とは?

簡単な設定をするだけで、Geminiが業務内容を深く理解し、改善点を積極的に提案してくれる頼もしいパートナーに変わります。Geminiを「指示待ちAI」から「最強の業務アシスタント」へと進化させる設定について。

目次

Geminiの「保存された情報」とは? “記憶”させてAIをパーソナライズ

今回の主役である「保存された情報」機能について。

これは、自身に関する情報や、Geminiに回答を生成してもらう際の好みなどをあらかじめ登録しておくことで、今後の対話をよりスムーズで質の高いものにするための機能です。
※ChatGPTにおいては「カスタム指示」、Claudeにおいては「個人設定」として同様の機能があります

この機能を活用することで、Geminiをあなた専用にカスタマイズできるのです。

例えば、以下のような情報を入力しておくと効果的です。

  • あなたの役割や職業: (例:Webメディアの編集者、人事担当者、営業マネージャー)
  • 主な業務内容やワークフロー: (例:企画立案→取材→執筆→校正→公開)
  • 使用しているツール: (例:Slack, Asana, Google Workspace, Salesforce)
  • 仕事における目標や課題: (例:記事のPV数を月10%向上させたい)
  • 回答に求める形式や文体: (例:専門的に、箇条書きで、フレンドリーに)

これらの情報をGeminiに記憶させておくことで、毎回「私は〇〇です」といった自己紹介をする手間が省け、すぐに本題に入れるようになります。

Geminiが業務改善を提案するプロンプト設定例

Geminiを、単なるアシスタントから能動的な改善パートナーへと変えるための具体的な設定方法について。

ポイントは、自身の情報を可能な限り詳細に、具体的に入力しておくことです。

業務フローを詳細に記述しておけばおくほど、Geminiはあなたの仕事の解像度を高く認識し、各プロセスのボトルネックやツール連携のアイデアなど、より的確な提案をすることが可能になります。

設定項目入力例
あなたの役割・職業は?税理士として、クライアントの月次顧問業務を担当しています。
主な業務フローは?私の月次顧問業務のフローは、以下の時系列に沿って進みます。
1. 資料受領・保管
毎月10日までにクライアントからGoogleChatで連絡を受け、GoogleDriveの共有フォルダにアップロードされた証憑書類を確認します。
2. 会計ソフト登録
受け取ったデータを会計ソフトfreeeに取り込み、仕訳登録を行います。
3. 試算表作成
freeeで月次試算表を作成します。
4. 内容レビュー
作成した試算表を確認し、税務上の適正性や勘定科目の異常値や前月比での大きな変動がないかをチェックします。
5. クライアント報告
毎月末日までに、レビュー済みの試算表を経営分析ツールbixidにインポートし、レポートを作成・報告します。
確認事項などは改めてGoogleChatでクライアントに連絡します。
使用しているツールは?GoogleChat、GoogleDrive、freee、bixid、Googleスプレッドシート、Googleドキュメント、AppSheet、Googleカレンダー、Google ToDoリスト、GoogleKeep
目標・課題は?クライアントへの報告を迅速化し、単なる数値報告だけでなく、経営改善に繋がる課題整理とアイデア出しの時間を増やしたい。
2.の会計ソフト登録と3.の試算表作成に時間がかかっているのが課題。
Geminiへの特別な指示以上の情報を踏まえて、回答を生成してください。
また、日頃の私との何気ないやり取りの中でも、私の業務フローの改善や効率化に役立つことがあれば、積極的に提案してください。

最後の「日頃の私との何気ないやり取りの中でも…積極的に提案してください。」という一文が、Geminiの役割を大きく変える魔法の言葉になります。

このように詳細な業務フローと課題をインポートした上でこの一文を添えることで、Geminiは「構成案作成を効率化するために、スプレッドシートを使ったテンプレート化を提案しよう」「効果測定のレポートは、このデータを連携させれば自動化できるかもしれない」といった、具体的かつ実践的な改善案を、日々の対話の中で見つけ出してくれるようになります。

Geminiの”提案”が生んでくれる、予期せず発見と業務の進化

この「保存された情報」と”提案を促す一文”を設定することによるメリットは、”予期せぬ視点からの発見”にあります。

これまでのAIは、質問に対して的確な答えを返す”検索エンジンの進化版”のような存在でした。

しかし、この設定を加えたGeminiは、私のまさに”気の利いた仲間”のように振る舞ってくれるようになります。

例えば、こんな何気ない質問をしたとします。

通常の質問と回答

あなた:
「来年から始まる電子帳簿保存法の改正について、注意点をまとめた資料ある?」

これまでのGeminiの回答:
「承知しました。電子帳簿保存法改正のポイントは〇〇です。国税庁の公式サイトが参考になります。」

これで終わりです。

しかし、あなたの業務フローを記憶したGeminiは、一歩踏み込んだ提案をしてくれます。

設定後の質問と回答

業務を記憶したGeminiの回答:
「承知しました。改正のポイントは〇〇です。国税庁の公式サイトが参考になります。 ところで、以前うかがった業務フローの「1.資料受領」で、クライアントから紙の領収書をスキャンしたデータを受け取っているとのことでしたね。今回の法改正を機に、クライアントに経費精算システムの導入を提案してみてはいかがでしょうか?例えばfreee経費精算のようなシステムを使えば、freee上で直接やり取りができ、「2.会計ソフト登録」の手間が大幅に削減できます。入力ミスが減るという課題解決にも繋がるかもしれません。」

単に”法改正”について聞いただけにもかかわらず、Geminiは、あなたの業務フローと課題(入力作業の時間短縮)を記憶しているため、”クライアントへの提案”という形で、根本的な業務改善に繋がる具体的な解決策まで提案してくれるようになります。

これは、Geminiが「法改正の情報を調べる」という目先のタスクだけでなく、「業務全体の効率化」という共通目標を常に意識してくれているからこそ生まれる提案です。

この設定によるメリットのまとめ

  • 業務の効率化: 毎回同じ指示をする手間が省ける。
  • 提案の質の向上: あなたの状況に最適化された回答が得られる。
  • 新たな視点の獲得: 自分では思いつかなかった改善策やアイデアに出会える。
  • 思考のパートナー: 常に業務改善を考えてくれるAIが、思考の壁打ち相手になる。

まずは業務内容を棚卸し、「保存された情報」に入力して、Geminiに自己紹介をすることから始めてみることで、明日からの業務が少し違って見えてくるかもしれません。

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