”あなたの文章にはどのような特徴がありますか?”と聞かれて、即座に明確な答えを返せる人は稀であり、多くの場合、なんとなくの感覚で文章を作成していてその特徴を客観的に把握できていないのが実情です。「Gemini」を活用して過去の成果物から成功要因を逆算し、自分でも気づいていない強みをあぶり出す「リバース・ナレッジ」というテクニックについて。”感覚的な作業”を”再現性の高いスキル”へと変えるための具体的なステップを考えていきます。
池田朋弘著「Gemini 最強のAI仕事術」(芸能新聞社)を参考にして。
なぜ自分の「強み」は言語化できないのか?
素晴らしい提案書や反響の大きかった記事を作成できたとしても、その「要件(成功のポイント)」を言語化するのは意外と難しいものです。
ここでいう「要件」とは、自分が作成している文章やアウトプットの特徴を指しますが、これを明確に意識できている人は多くありません。
しかしながら、成功したアウトプットの要素を言語化できなければ再現性は低く、「次はうまく書けないかもしれない」という課題が残ることになります。
解決策は「リバース・ナレッジ」
この課題を解決する手法として、池田朋弘著「Gemini 最強のAI仕事術」(芸能新聞社)で紹介されているのが、AIに過去の成果物を与えて特徴を言語化してもらうという「リバース・ナレッジ」という手法です。
通常、私たちは、”要件”から”成果物”を作るのですが、「リバース・ナレッジ」では、逆に”成果物”から”要件”を抽出するというものです。
自分の文章について客観的な特徴を明確にすることで、強みを意図的に使えるようになります。
特にGeminiは読み込める文字数が多い点が魅力で、1つのデータが膨大であっても問題なく処理してくれ、多くのボリュームから高度な分析を行うことができます。
Geminiで実践!成果物から「成功の要件」を抽出する3ステップ
池田朋弘著「Gemini 最強のAI仕事術」(芸能新聞社)に、Geminiを使って自分の強みを引き出す手順を整理してみます。
ステップ1:分析の素材となる「成功事例」を集める
まず、分析の素材となる「成功事例」を集めます。
ここでの重要なポイントは、成果の高かった事例だけを選定することです。
- 受注につながった提案書
- 反響の大きかったSNS投稿
- 成功した面談ログ
良否の判定が明確な「良い例」だけに絞ることで、成功要因をノイズなく抽出することができます。
テキスト化して整理しておくと、よりGeminiが読み込みやすくなります。
ステップ2:プロンプトで共通点と特徴を抽出する
次に、Geminiに以下のプロンプト(指示文)を入力し、共通点や要因を洗い出してもらいます。
【分析用プロンプト例】
以下の[データ種別]に共通する良い点や特徴を、箇条書きで具体的に挙げてください。#データ
(ここに成功事例のテキストを貼り付ける)
池田朋弘著「Gemini 最強のAI仕事術」(芸能新聞社)より
もし最初の回答で分析の粒度が大きすぎたり、特定の要素に偏ったりしているような場合には、「上記以外の文章の表現や文章スタイルの特長も教えて」と追加で指示を出すことにより、”簡潔な言葉遣い”や”断定的な表現”といった細かいスタイルまで言語化が可能になります。
ステップ3:人間が「使える要素」を選別する
Geminiが出したリストは、あくまでAIの視点で見つけた特徴にすぎません。
そのため、最後に人間が目視で確認し、取捨選択を行うことが大切です。
- 自分が今後も再現したい要素か
- 自分や自社のスタイルに合っているか
これらを見極め、本当に使える要素だけを残し、「要件リスト」を作成しておきます。
抽出した「強み」を、「再現性のある武器」に変える
抽出した「要件(成功要素)」を、日常の業務で活用していきます。
「要件」+「具体例」で、最強のプロンプトを作る
Geminiで言語化した強みは、次回以降のプロンプトに組み込むことで、AIの出力精度を飛躍的に向上させることができます。
この際、抽出した「要件」だけでなく、「具体例(過去の成功事例)」もセットでプロンプトに含めるのが最も効果的とされています。
| プロンプトの要素 | アウトプットの特長 |
|---|---|
| 要件だけの場合 | 抽象的すぎて、AIの再現精度が下がる可能性がある |
| 具体例だけの場合 | ”何を真似すべきか”といったポイントが不明確になりがち |
| 要件+具体例 | ポイントが明確になり、精度の高いアウトプットを引き出せる |
まとめ
自分の文章を自分が客観的に評価し、その強みを言語化することは非常に難しいものです。
しかし、Geminiを使った「リバース・ナレッジ」を活用することで、これまで感覚的に行っていた”良い仕事”の正体を突き止めて、”誰もが使える形式知”に変えることができます。
