GoogleスプレッドシートでGeminiサイドパネルに関数を”作ってもらう”活用法は、多くの方に知られています。一方で、他人が作成したシートや、過去の自分が組んだ複雑な関数の意味が分からないときに、Geminiに既存の関数を分かりやすく解説してもらうという、”理解を深める”活用法について。
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スプレッドシートでたまにある「この関数、なんだっけ?」
スプレッドシートを使った業務では、以下のような場面に遭遇することがよくあります。
- 引き継いだシートが解読できない
前任者や他部署が作成したシートを引き継いだものの、VLOOKUP や QUERY、ARRAYFORMULA などが複雑に組み合わさっており、どのセルを参照して何を集計しているのか、一見して理解できない。 - 過去の自分が”他人”になっている
数ヶ月前、あるいは数年前に自分が作成したシート。当時は完璧だと思って組んだ関数も、今となっては「なぜこの関数を入れたんだっけ?」と思い出せない。 - 関数の中に関数があって複雑になっている
IF 関数の中にさらに IF があり、その中で AND や OR が使われているような、ネストが深い関数は、どこからどこまでが一つの処理なのかを追うだけで時間を浪費してしまいます。
このような「関数の解読」にかかる時間は、業務において非常に大きなロスタイムとなってしまいます。
この”わからない”を即座に解決してくれる方法としてのGemini活用です。
Geminiに関数の意味を解説してもらう
Geminiに関数を解説してもらう方法はとても簡単です。
- Geminiサイドパネルの起動
スプレッドシートを開き、画面の右上(または右側)にあるGeminiアイコンをクリックして、サイドパネルを起動します。 - 解説してほしいセルを選択
シート上で、意味を知りたい関数が入力されているセルをクリックして選択する(またはコピーして貼り付ける)。 - Geminiに「解説」をお願いする
サイドパネルのチャット入力欄に、以下のようなプロンプト(指示)を入力します。
【セルを指定する場合】
「A1セルの関数の意味を解説してください」「B5の関数が何をしているか教えてください」
【関数を直接コピー&ペーストする場合】
「以下の関数が何をしているか、ステップバイステップで解説してください」 - 理解できるまで質問する
Geminiが指定された関数の処理内容を分析し、分かりやすく解説してくれます。
このように、関数を分解して「何をしているか」を具体的に教えてくれるため、ひと目でロジックを理解できます。
「関数解説」で得られるメリット
Geminiに関数の「作成」ではなく「解説」を任せることには、以下のような大きなメリットがあります。
- 作業効率の向上
複雑な関数を自力で解読する時間をゼロに近づけられます。 - エラーの早期発見
”意図した結果と異なる”ということを、Geminiの解説を通じて検証することができる。 - 知識の習得(スキルアップ)
他人が組んだ優れた関数のロジックや、知らなかった関数の使い方を具体的に学べる。 - 業務の属人化防止
複雑な関数を組んだ際に、Geminiの解説文をスプレッドシートの「コメント機能」で残しておけば、誰でもそのシートの処理内容を理解でき、属人化を防げる。
Geminiサイドパネルは、私たちに新しい関数を「作成」してくれるだけでなく、既存の関数を「解読」してくれる優秀なアシスタントでもあります。
Geminiに質問し、関数の意味を理解することで、作業の効率化とご自身のスキルアップにつなげることができます。
