2025年6月、Google Geminiのサイドパネル機能にアップデートがあり、これまでは画像としてしか作成できなかったグラフが、”編集可能なグラフ”として生成されるようになっています。
グラフ作成機能の進化:何が変わったのか?
以前のGeminiのサイドパネルでは、スプレッドシートのデータからグラフを作成する際、生成されるのは静的な「画像」でした。
これは、美しいグラフを手軽に作成できる一方、課題を抱えていました。
- 編集ができない
グラフの色や軸の表示形式、タイトルの変更など、少し修正したいと思っても、一度生成されたグラフは手直しができませんでした。 - データと連動しない
元データに変更があった場合でも、グラフには自動で反映されません。再度グラフを作成し直す必要があり、非常に手間がかかりました。
しかし、2025年6月のアップデートにより、これらの課題が一気に解決しました。Geminiが生成するグラフは、Googleスプレッドシートのグラフオブジェクトとして扱われるようになりました。

これにより、生成されたグラフはデータと連動し、軸の表示形式を「通貨」に変更したり、グラフのスタイルを変更したりと、自由な編集が可能になりました。
これにより、より柔軟で効率的なデータ活用が可能になります。
アップデートがもたらす3つのメリット
今回のアップデートは、日々のデータ分析作業に大きなメリットをもたらします。
柔軟な編集で、より見やすいグラフに
生成されたグラフをそのまま使うのではなく、「少し調整したい」という場面は多々あります。
例えば、売上データのグラフであれば、軸の表示を「$」に変更したり、特定のデータ系列の色を変えて強調したりといった編集が可能です。
- 軸の表示形式を変更
金額を「¥」や「$」で表示したり、日付を「年/月/日」にしたりできます。 - デザインのカスタマイズ
グラフの色やフォント、背景などを自由に変更し、よりプレゼンテーションに適したデザインに仕上げられます。
データ更新にも自動で対応、作業効率が向上
グラフがスプレッドシートのグラフオブジェクトとして扱われるため、元データに新しい行を追加したり、既存の値を変更したりすると、グラフに自動で反映されます。
これにより、最新のデータを常にグラフで可視化できるようになり、グラフ作成の手間が大幅に削減されます。
例えば、顧客の問い合わせ管理を行っているスプレッドシートで、Geminiに依頼して「月ごとの問い合わせ件数」のグラフを作成したとして、新しい月のデータが追加されると、グラフは自動的に更新され、最新の状況を常に確認できます。
データ分析のフローがシームレスに完結
Geminiのサイドパネルを利用すれば、データの入力、数式作成、そしてグラフ化までの一連の作業をGeminiとの対話だけで完結させることができます。
例えば、「この顧客データから、地域ごとの売上合計を算出して、それを円グラフにして」と指示するだけで、Geminiは以下の作業を一気に実行してくれます。
- 地域ごとの売上を計算する数式を作成
- その結果を基に円グラフを作成
これにより、手作業で数式を入力したり、グラフ設定をしたりする手間が省け、データ分析の効率が劇的に向上します。
Geminiとスプレッドシートの連携でデータ活用が新たなステージへ
今回のアップデートは、Geminiとスプレッドシートの連携をさらに強力にし、データ活用の幅を大きく広げる画期的なものです。
これまでは単なる「画像」だったグラフが、柔軟に編集でき、データと連動する「オブジェクト」になったことで、以下のようなメリットが生まれました。
- グラフ作成後の編集が自由になり、より見やすい資料が簡単に作成できる。
- 元データの更新に自動で対応するため、グラフを常に最新の状態に保てる。
- データ分析のプロセスがシームレスになり、作業効率が大幅にアップする。
※ただし、注意点として、一部のグラフはまだ画像として生成される場合があるとのことです。
このアップデートをきっかけに、Geminiのサイドパネル機能を活用して、日々のデータ分析や資料作成をがより効率的に進めていけそうです。