AIの学習の仕組み・種類・経緯について。
一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)監修「生成AIパスポート テキスト&問題集」(日本能率協会マネジメントセンター)で学ぶ!
※イラストは、AIツール(DALL-E3)を使用して作成しています。
目次
AIの学習の仕組み
ノーフリーランチ定理
「どの問題にも万能で汎用的なモデルは存在しない」という意味で、すべての分野における万能モデルはなく、”それぞれのケースに応じて最適な手法を選択することが重要”であるという理屈です。
人工ニューロン、ニューラルネットワーク
人工ニューロン(ノード) | 人間の脳の高度な働きを支えている神経細胞のことを「ニューロン」といい、それをプログラミングで再現したもの |
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ニューラルネットワーク | 「人工ニューロン(ノード)」による複層的な情報伝達の仕組み |
ディープラーニング(深層学習) | 「ニューラルネットワーク」をさらに重ねて作ったシステム |
学習過程における「重み」「重み付け」
重み | シナプスの大きさ(=情報の重要さ) ※「人間の神経細胞におけるシナプス」は「ニューロンの接合部分」であり、その接合部分が大きいという場合、重要性が高いため何度もニューロン同士で信号を送り合っているということで、重要性の差でもある。 |
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重み付け | 人工ニューロン(ノード)において、その情報量を調整すること(重要性に差をつけること) |
例)画像認識の仕組み
- 画像を「ピクセル(細かな画素)」に分ける
- 「位置情報」と「色情報」を、数値データ化
- 画素のつながりにより、形を認識する
- 最終的に対象となる画像を認識する
過学習、過学習の回避、転移学習
過学習(オーバーフィッティング) | 機械学習モデルが、訓練データに含まれる特徴・パターンに敏感になりすぎて、新たなデータ・初見のデータに対して柔軟な適応能力を失ってしまうこと (→予測精度が著しく低下し、大きな誤差を生む) |
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過学習の回避 | 「正則化」 →パラメータを調整・制限し、モデルの複雑さを制限して、適切な量の情報を学習するようにする方法 「ドロップアウト」 →一部の人工ニューロンをランダムに休ませる(無効化)ことで、全体が特定部分に依存しすぎないようになり、モデル性能が向上し、より汎用性の高いAIとなる方法 |
転移学習 | 1つのタスクから学んだ知識を、別のタスクへと活用 ※人間が既存の知識を新しい状況に適用することに類似しており、学習効率化を実現するための強力で重要な手法 |
AIの種類
レベル
レベル1 例)AI家電 | ・単純で、プログラムが条件によって分岐 ・入力に応じ、決められたルールに従って出力を行うだけ |
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レベル2 例)チャットボット | ・ルールベース ・入力データを解析し、単純な予測と決定 |
レベル3 例)検索エンジン | ・機械学習 ・入力からデータパターンを見出し、最適な出力を調整して返す |
レベル4 例)自動運転 | ・ディープラーニング ・自ら特徴量の調整を含めた学習ができる |
ANI、AGI
ANI | 「Artificial Narrow Intelligence」(狭い知能) →特定のタスクに対し、人間並みの性能を発揮 ※ある分野ではプロフェッショナル、それ以外はできない |
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AGI | 「Artificial General Intelligence」(広い知能) →すべての知的タスクに対し、人間並みの性能を発揮 ※多様な環境や状況に適応し、問題に対処する能力を持つ |
AIの経緯
ブーム
第一次AIブーム 1956年~1970年代後半 | ・ダートマス会議を皮切りに、約20年続く ・焦点は、探索と推論 ・ルールベースのシステムを実装&自然言語処理や機械学習も発展 →複雑な問題に対して不適切と分かり終息 |
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第二次AIブーム 1980年代後半~1990年代初頭 | ・エキスパートシステム(専門家の意思決定プロセスを模倣)がきっかけ →専門家の知識を正確に取り込むことが困難、知識ベースが大きくなりすぎて管理が困難であることが分かり終息 |
第三次AIブーム 2010年代~ | ・ビックデータ活用&ディープラーニング技術の進展 |
シンギュラリティ
「AIが人間を超越し、知能的に自己進化する状態」をいう。
数学者ヴァーナー・ヴィンジという数学者によって提唱、未来学者レイ・カーツワイルによって広まる。
AI効果(AIパラドックス)
レイ・カーツワイルによる「2045年問題(2045年頃には、シンギュラリティが起こり、AIが人間の知性を超越し、人間が様々な問題や脅威に直面する問題)」のことで、自動化や人間自身のアップグレードといったことが起こると予測され、人間は、労働・生活のあり方や、意義・目的のあり方などにおいて、大きな変化を迎えると予測している。