すれ違いを防ぐ「言語化力」の磨き方!言葉の定義と伝え方のコツ

仕事や家庭で、”何度説明しても真意が伝わらない”・”良かれと思った言葉で相手を不機嫌にさせてしまった”といったすれ違いに悩むことがあります。円滑なコミュニケーションの鍵となる「言語化力」の磨き方について、言葉の定義を揃える重要性や、相手を傷つけない伝え方について。

和仁達也著「コンサルタントの言語化力」(かんき出版)を参考にして。

目次

コミュニケーションの土台を作る「言葉の定義を揃える」技術

コミュニケーションにおいて非常に重要なのが、「言葉の定義を揃える」という作業です。

同じ言葉を使っていても、思い浮かべるイメージは人によって見事なまでにバラバラであり、ここが揃っていないと、どれだけ論理的に説明しても真意は伝わることはなく、分かり合うことができません。

例:「営業」の定義が変わったことで、行動が変わった事例

例えば、「営業」という言葉。

営業に苦手意識を持つ人ほど、「相手に一方的に売り込む仕事」と定義していることが多いものです。

自分が客の立場で売り込まれるのは嫌なはずなのに、それを仕事にしているという矛盾が、苦手意識を生んでしまいます。

しかし、営業の定義を「相手のお困りごとと、自分の商品やサービスをマッチングする“お見合いの場”」と揃え直してみたらどうかという話。

売る側・買う側に上下関係はなく、お互いに合うかを確認するプロセスへと変わります。

「営業=嫌なもの」から「人の役に立つ仕事」へと認識が変わり、それによって、不思議と行動まで前向きに変わってきます。

例:「リーダー像」の定義を揃ったことで、組織がまとまった事例

ある組織で、”リーダーとはどういう人?”と尋ねたところ、”みんなに命令する偉い人”・”相談に乗ってあげる人”など、人によって答えが全く異なるものです。

そこで、「リーダーとは影響力を発揮して、人をやる気にさせる人」という明確な定義を共有したという話。

人の悪口で徒党を組むのではなく、肯定的な言葉を使って挑戦できる場を作る人、と言語化してイメージを揃えた結果、バラバラだった組織が一つにまとまっていったという話。

日常の業務でも言葉のズレを確認する

相手の思考を言語化するときは、たとえ面倒でも、「今、この言葉はこういう意味で使っている?」と確認し合うようにすることで、話の迷走やすれ違いを防ぐ第一歩となります。

相手を傷つけずに本音を引き出す「言葉選び」の工夫

相手の思考を適切に言語化し、前向きな行動を促すには「言葉選びの技術」が欠かせません。

とくに相手の失敗や課題を指摘する場面や、自分の要望を伝える場面では、言葉の角を取るための以下の3つのテクニックが有効とされます。

ポジティブ変換(否定的な言葉を肯定的に言い換える)

「なんで、そんなことをしたの?」と過去を追及すると、相手は口ごもり、追い詰められてしまいます。

代わりに「今後は、どうすればこういうミスが減ると思う?」と未来に向けた表現に変換することで、相手も落ち着いて失敗を分析できるようになります。

また、相談を受けた際も「それは問題ですね」と返すのではなく、「自分の課題(ボトルネック)に気づけたのは前進ですね!」と肯定的に返すことで、相手は「受け入れられている」と感じ、前向きに解決に向き合うことができるようになります。

【変換前】ネガティブな表現 【変換後】ポジティブな表現への言い換え
これ、間違ってるよ別の見方もあるんじゃないかな
なんで終わらなかったの?どのあたりが一番時間かかった?
こうするべきだよこうしてみるのもアリかもね

とくに、「ダメ」「ムダ」「ムリ」のような、一言で相手を傷つける威力のある言葉は、以下のように意識して変換することが重要です。

【変換前】ネガティブな表現 【変換後】ポジティブな表現への言い換え
ダメここを変えれば、もっとよくなる。
別の視点も加えると、もっと広がりそう。
ムダもっと効率的な方法がありそう。
やってみないとわからないことがある。
ムリこのままなら難しいけれど、〇〇なら大丈夫。
少し工夫が必要かも。

前置きトークの活用

厳しめの指摘をする際は、本題の前にワンクッション挟む「前置きトーク」が効果的です。

例えば、「少し耳の痛いことを言うかもしれませんが、○○さんが今後さらに成果を出すために大切なことなので…」と事前に伝えることで、相手も心の準備ができ、防衛線を張らずに話を聞いてくれやすくなります。

「背景の共有」と「同意」で対立を避ける

相手に要望を伝えるとき、感情のままに本音をぶつけると、マウント合戦になりかねません。

例えば、夫婦間で”もっと家事を手伝って”と伝える場合、”私だって働いているのに!”と責めるのではなく、”自分はこんな状況で疲れている”という「背景の共有」から始め、”一緒に家事を見直してみない?”と「同意を得る」ステップを踏みます。

”態度を変えて”とお願いするのではなく、「共有したいことがある(一緒に考えてほしい)」というスタンスで伝えることで、相手は防衛モードに入らず、聞く態勢になってくれます。

また、職場で連絡が遅い相手にイライラした場合も、”なぜこの人はこの行動をとっているのか?”と背景を想像し確認することで、無用な対立を防ぐことができます。

情報量のズレをなくし、関係性を深める言語化力

コミュニケーションにおけるトラブルの8割方は、お互いの「情報量の不一致」から起きるものです。

言葉の定義が違っていたり、相手の持っている事情や背景を知らなかったりするために、考え方にズレが生じて衝突に発展してしまうというものです。

自分の思いを言葉にする「言語化力」は、単に説明を上手にするためのものではなく、相手との情報量のズレを埋め、お互いを尊重し合うためのものです。

  • 話の行き違いをなくすために、まずは「言葉の定義」を揃える。
  • 否定から入らず、「ポジティブ変換」で相手を肯定しながら導く。
  • 「前置きトーク」を活用し、相手を傷つけずに本音を引き出す。
  • 感情をぶつける前に「背景の共有」と「同意」のステップを踏む。
  • 日々の気づきや教訓は、頭の中の「本棚」にタグ付けして整理し、言語化の質とスピードを上げる。

日常の少しの意識と工夫が「言語化力」を磨き、周囲との温かい関係性を築くための強力な武器となるはずです。

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この記事を書いた人

長崎で活動する
税理士、キャッシュフローコーチ

酒井寛志税理士事務所/税理士
㈱アンジェラス通り会計事務所/代表取締役

Gemini・ChatGPT・Claudeなど
×GoogleWorkspace×クラウド会計ソフトfreeeの活用法を研究する一方、
税務・資金繰り・マーケティングから
ガジェット・おすすめイベントまで、
税理士の視点で幅広く情報発信中

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