Googleスプレッドシートに新たに搭載された「AI関数」を使うと、データと指示を渡すだけでこれまで手作業で行っていた面倒な整理・加工業務を劇的に自動化できます。
Googleスプレッドシート「AI関数」とは?使い方の基礎
AI関数でできること:4つのパターン
AI関数とは、スプレッドシートのセル上で直接AIによる処理を行える機能です。
「このデータを分類して」「キーワードを抜き出して」といった短い指示(プロンプト)と対象データを渡すだけで、1行ずつ自動で処理を行ってくれます。
具体的には、主に以下の4つのパターンで活用できます。
- 分類(Classification)
- 問い合わせ内容を「日用品」「家電」「その他」などに自動で振り分ける。
- 自由記述のアンケート回答を「ポジティブ」「ネガティブ」に判定する。
- キーワード抽出(Extraction)
- 長文の問い合わせや備考欄から、重要な単語(商品名、不具合の内容など)だけを抜き出す。
- 文章の要点を箇条書きで抽出する。
- 回答文のドラフト生成(Generation)
- 顧客からの質問に対する返信メールのたたき台(ドラフト)を作成する。
- データの傾向から要約文を自動生成する。
- 表記ゆれの整形(Formatting)
- 全角・半角が混在した住所や電話番号を統一する。
- 「東京都」「東京」などの表記のばらつきを揃える。
これまで複雑な関数を組み合わせたり、目視で手作業を行ったりしていたこれらの作業が、AI関数ひとつで完結するのが最大の魅力です。
基本構文
基本的な使い方は非常にシンプルです。
基本構文:
=AI(“プロンプト”, 参照セル)
経理・事務が楽になる!実践活用テクニック3選
事例1:問い合わせ対応を高速化!回答文のドラフト作成
事務やカスタマーサポート業務において、よくある質問やアンケートのコメントに対して返信を作成する際、AI関数が強力なアシスタントになります。
過去の事例や対応ルールを考慮しつつ、AIに「たたき台(ドラフト)」を作成させ、担当者が最終調整を行うことで、文章作成の時間を大幅に短縮できます。
- 活用シーン
顧客からの問い合わせメールへの一次返信、社内FAQの回答作成など - プロンプト例
=AI(“このコメントに対する簡潔な回答文を100字以内で作成してください”, A2) - メリット
ゼロから文章を考える手間が省け、担当者は内容の確認と微調整(人間によるダブルチェック)に集中できるため、心理的負担も軽減されます。
事例2:住所・データの表記ゆれを統一
顧客リストや住所録などで、「全角・半角の混在」や「郵便番号のハイフンの有無」といった表記ゆれについて、 AI関数を使うことで、文字操作関数(SUBSTITUTEやASCなど)を駆使しなくても、自然言語で指示するだけでの整形が可能です。
- 活用シーン
郵便番号の統一、住所データのクレンジング、商品名の表記統一 - プロンプト例
=AI(“郵便番号を半角数値7桁で表示してください”, A2) - メリット
例えば 100-0001 も 〒100-0001 も、AIが文脈を理解して 1000001 に統一してくれます。ルールベースの置換では難しい柔軟な対応が可能です。
事例3:アンケートや備考欄からのキーワード抽出
アンケートの自由記述欄や、業務日報の「備考」、経費精算の「摘要」など、長文のテキストデータから重要な要素だけを抜き出してリスト化したい場合にも有効です。
- 活用シーン
アンケート結果の分析、問い合わせ内容の傾向把握、ダッシュボード作成 - プロンプト例
=AI(“この質問の主なキーワードをカンマ区切りで出力してください”, A2) - メリット
膨大なテキストをすべて読み込まなくても、抽出されたキーワードを見るだけで内容を把握できるようになり、分析業務が効率化します。
知っておきたい制限事項
- 処理数の制限
数千件のデータを一気に処理しようとするとエラーになる可能性があるため、大量データの場合は分割して処理するか、Google Apps Script (GAS) とGemini APIを組み合わせる方法を検討しましょう。 - 精度の確認
AIは便利ですが、完璧ではありません。特に重要な数値データや対外的な文章については、必ず人の目による最終確認を行ってください。
