時々、会社に郵送で届くAI導入コンサルの営業ダイレクトメール。なかなか迷惑ですが、もはやAI時代においては、その中に自社での活用ヒントが眠っているかもしれません。
なぜ迷惑チラシがヒントになるのか?
ポストに投函されるAI導入コンサルの営業チラシ。
そこに記載されている「成果物」、これまでのようにシステム構築・RPA構築などであれば営業は成立するかもしれないのですが、AI時代においては、その成果物を明かす時点で、こちら側にAI活用のヒントを無償でくれていることになる気がしています。
なぜなら、それらの多くは、実はGemini・ChatGPT・GoogleAIStudio・Claudeのような生成AIに聞けば、他の安価なツールと組み合わせたりしつつ割と簡単に作成可能とも考えられるからです。
例えば、以下のような感じです。
チラシに書かれている魅力的な言葉を「AIでできる具体的なタスク」に翻訳してみることで、「これなら自社のあの業務に応用できるかもしれない」というヒントが見えてきます。
カテゴリー | チラシの売り文句 (例) | AIで実現できること(翻訳) |
---|---|---|
① 業務効率化 | 定型業務を自動化し、生産性を劇的に向上! | ・会議の議事録作成 ・メール文面の作成 ・情報収集・要約 |
② マーケティング支援 | ターゲットに響くコンテンツで集客を最大化! | ・ブログ記事の構成案作成 ・SNS投稿文の作成 ・広告キャッチコピーの考案 |
③ アイデア創出・企画 | データに基づいた新規事業立案を強力にサポート! | ・市場トレンドの調査 ・新サービスのアイデア出し ・企画書の骨子作成 |
AI時代は”まず生成AIに聞く”ー生成AIと無料ツールと自作アプリで課題解決してみる
チラシに書かれているような課題に直面したとき、AI時代における最も堅実な第一歩は「まずAIに聞いてみる」かなと考えています。
意外と、無料のツールを組み合わせたり時には簡単なAIアプリを自作したりすることで、驚くほど低コストに、迅速に手に入れることができたりするこどかあるためです。
- ”まず生成AIに聞いてみる”習慣から始める
何か業務上の課題や疑問が生まれたとき、他者に聞いたりする前にまず生成AIに問いかけてみましょう。
最初は「メールの文案」「キャッチコピー10個」といった5分で終わるタスクで構いません。
この小さな習慣が、AIを使いこなすための最も重要な第一歩となります。 - 生成AIを「優秀な新入社員」として育てる
生成AIを単なるツールではなく、”優秀だけれど、まだ自社のことを知らない新入社員”と捉えることから始めます。
良いアウトプットを引き出すには、上司が部下に対して、「この仕事の目的や背景はこうで、ターゲットはこういう人だよ」と丁寧にコンテキストを伝え、出てきた成果物をレビューし、フィードバックを与えるような「OJT」のプロセスが不可欠です。
生成AIとの対話を通じ、思考を整理し、より良いアイデアに昇華させることが重要です。 - ツールを「かけ合わせ」て解決策を導き出す
ツールにはそれぞれ得意分野があります。
これらを組み合わせることで、単体で使うよりも質の高い成果物を生み出せる場合があります。 - 解決策を「仕組み化」する(自作AIアプリという選択肢)
特定の業務でうまくいく指示文(プロンプト)が見つかったら、それをチームの資産にしましょう。Google AI Studioのようなツールを使えば、専門的なプログラミング知識がなくても、特定のタスクに特化したAIツールを作成できます。
AI時代、視点を変えれば、迷惑なダイレクトメールすらも資産になる
これまで迷惑だと感じていたAI導入コンサルのダイレクトメールも、このように視点を変えれば、自社の具体的な業務改善の「無料のアイデア集」に変わるともいえます。
高額なコンサルティング費用を支払う前に、まずはそのチラシをヒントに、手元のスマートフォンやPCから生成AIに聞いてみることから始めるとよさそうです。
小さな行動の積み重ねが、「AIリテラシー」を社内に蓄積する一歩となりそうな気がしています。