自ら動きたくなる気持ちになってもらうには

他人を”動かすには”と考えるのではなく、”自ら動きたくなる気持ちになってもらうには”と考える視点が重要といえそうです。

D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)を参考にして。

目次

人が動く”原動力”

D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)によれば、”人を動かす方法”は1つしかなく、それは、「自ら動きたくなる気持ちを起こさせること」とのことでした。

他人は自分の思い通りには動かないものです。

こちらが、他人に、こう動いて欲しいと言っても、その通りに動いてくれるわけではありません。

ルールなどで強制すれば、あるいは短期的な効果はあるかもしれないものの、どこかで歪みを生んでしまい、やがてうまくいかなくなってしまいます。

確実に長期的に無理なく人に動いてもらおうと思う場合、ルールなどで強制するのではなく、”相手の欲しがっているものを与える”という視点が重要であり、”相手の欲しがっているものを与える”ことによって、相手は、自ら動きたくなってくれる、という流れです。

人の熱意を呼び起こす

人が欲しいと感じるものはいくつも考えられます。

健康でいたい・長生きしたい・美味しいものを食べたい・心地よく眠りたい・などなど。。

なかでも、カーネギー氏が着目するものは、「自己の重要感(=他人に認められたい)」という欲求です。

例えば、有名になりたい・他人から一目置かれたい・最先端の流行を身に着けていたい・大きな家を建てたい・高級車に乗りたいなどといった気持ちは、人にとって非常に大きな欲求であり、常にそのような状態を渇望しながら生きているとされています。

また、人はそれぞれ、”どのような方法で自己の重要感を満足させるか”によって、どんな人間であるかが形作られるといっても過言ではないとされています。

ある人は、それが社会貢献かもしれませんし、栄誉ある役職・称号かもしれませんし、あるいは、場合によっては他人から注目されるような犯罪であったりもするかもしれません。

どうすればできるだけ多くの人の注意を引き、同情され、認められるだろうか、という人の欲求は根強いものがあります。

他人のその欲求を満たすことのできる人こそは、人の熱意を呼び起こすことができ、結果として、その人のために人が動いてくれるようになるとされています。

事実に着目する

他人に認められたいという人の欲求を満たすにはと考えると、答えはシンプルになってきます。

それは、「他人を認める」ことです。

そして、「他人を認める」とは、すなわち、他人の短所を指摘することではなく、「他人に長所を伝えること」です。

他人に長所を伝えるといっても、それが事実に根ざしたものではない、いわゆる”お世辞”であれば、それは心からのものではないゆえに相手には率直には伝わらず、むしろ意図せず有害に作用することが多いものです。

つまり、他人に長所を伝えるには、それが相手の自己評価と合うような「事実」である必要があります。

その事実を探すには、まず、自分自身の物の見方・行動を変える必要があると思います。

他人の言動を観察し、そのなかから「その人の長所」に着目すること。

そして、「その事実を率直に伝える」ようにすること。

一見簡単なようですが、日頃から相当に意識していないと難しいものだと感じます。

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