「エスキモーに氷を売る」から学ぶ⑩

リストラによる縮小ではなく成長によって事業を活性化させるための考え方として、限られた予算で確実な成果を出すために「自社の商品に関心がある人」だけをターゲットにする重要性について。

ジョン・スポールストラ著「エスキモーに氷を売る」(フォレスト出版)を参考にして。

目次

成果を測るための真の指標「比率」の活用

事業におけるマーケティングの成否を判断する際、一般的には「反応率(%)」が重視されがちですが、本書では「比率」という指標が提唱されています。

比率とは、その施策に投入したコストに対して、実際にいくらの収入が得られたかを示す数字です。

なぜ反応率だけでは不十分なのか。

以下の表のように、たとえ反応率が高くても、事業として赤字になるケースがあるためです。

指標意味事業における視点
反応率(%)送付数に対する反応割合商品単価が低いと、100%の反応があっても赤字になる可能性あり。
比率(倍率)収入/コスト1円の投資で何円戻ってきたか。この数字が1以下なら改善の余地があると考えられます。

美しいパンフレットを作ることに満足せず、それが具体的にどれだけの収入をもたらしているかを「比率」で把握することが、持続可能な事業運営への第一歩といえるかもしれません。

「一つだけのセグメント」を見極めるための視点

効率的な広報活動を行うためには、ターゲットを絞り込む工夫が求められます。

「一つだけのセグメント」とは、年齢や年収といった一般的な分類ではなく、「自社の商品に何らかの関心を示したことがある人々」を指します。

具体的には、以下のような方々がこのセグメントの候補として考えられます。

  • 過去の購入経験がある方(商品やサービスを一度でも利用した方)
  • 自ら情報を求めてきた方(問い合わせや資料請求、サンプル請求をした方)
  • 特定のテーマに基づいた懸賞の応募者(商品に関連する企画に興味を持った方)

一般的な名簿をもとに「関心があるだろう」と推測してアプローチするよりも、こうした「既に関心を持っている方々」に集中するほうが、結果として高い「比率」につながりやすい傾向があります。

まずは小規模なテストから始め、反応を確かめながら進めるのが賢明なアプローチといえます。

顧客を「友人」として扱う誠実なコミュニケーション

ターゲットが決まったら、次は「どのような言葉を届けるか」が重要になります。

多くの事業では、顧客に対して事務的で形式的な案内を送ってしまいがちですが、それではなかなか心に響きません。

著書では、顧客を大切な「友人」のように扱い、率直で親しみのこもったコミュニケーションをとることが推奨されています。

例えば、過去に十分なサービスを提供できなかった場合には、その事実を正直に認め、その上で誠実な提案を行う手紙のほうが、豪華な広告よりも信頼を得られる場合があります。

すなわち、効果的なマーケティングを実現するためには、以下の3つのポイントが鍵となります。

  1. 比率によって、投資した費用がどれだけの収入を生んでいるかを冷静に見極める。
  2. 事業に関心がある人だけを抽出した「一つだけのセグメント」に資源を集中させる。
  3. その方々に対し、友人のような親しみと誠実さを持って語りかける。

これらの原則を大切にすることで、関わる人々が共に成功を実感でき、事業全体が前向きな成長へと向かっていくと考えられます。

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この記事を書いた人

長崎で活動する
税理士、キャッシュフローコーチ

酒井寛志税理士事務所/税理士
㈱アンジェラス通り会計事務所/代表取締役

Gemini・ChatGPT・Claudeなど
×GoogleWorkspace×クラウド会計ソフトfreeeの活用法を研究する一方、
税務・資金繰り・マーケティングから
ガジェット・おすすめイベントまで、
税理士の視点で幅広く情報発信中

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