多くの組織が見落としがちな「大切な顧客の守り方」について。
ジョン・スポールストラ著「エスキモーに氷を売る」(フォレスト出版)を参考にして。
事業を再生させる「ジャンプ・スタート」の哲学
事業が思うように成長しないとき、多くの組織では人員削減などの「リストラ」が検討されがちです。
しかし、リストラが短期的には収益を改善したように見えても、実際には組織の成長を遅らせる要因になり得るとも考えられます。
リストラは機械的な処理に過ぎず、そこで働く生身の人間や組織の活力を奪ってしまう可能性があるためです。
著者が提唱する「ジャンプ・スタート・マーケティング」は、組織全体にエネルギーを注入するアプローチだといえます。
この手法を取り入れることにより、従業員が自発的に改善案を出し、仕事そのものを楽しむ文化が育まれることが期待されます。
無理にコストを削るよりも、いかに事業をワクワクしながら成長させるかに焦点を当てることが、長期的にはより大きな利益をもたらすのかもしれません。
大口顧客と小口顧客を「区別」する
新しい顧客を獲得するには多大な労力が必要ですが、一方で、すでに取引のある「大切にすべき顧客」を不注意で失ってしまうケースは少なくありません。
著者の実体験として、ある銀行が「規則だから」という理由で、年間数万ドルを支払う大口顧客(著者自身)を冷遇し、結果としてその顧客を失った例が挙げられています。
すべての顧客に対して誠実であることは基本ですが、事業への貢献度が異なる顧客に対して、全く同じ対応をすることが必ずしも「公平」とは限らないのかもしれません。
| 顧客の分類 | 対応の考え方 | 留意したいポイント |
|---|---|---|
| 大口の顧客 | より手厚く、優先的な配慮を行う | 問題解決のために規則を柔軟に捉える姿勢 |
| 小口の顧客 | 丁寧かつ標準的な対応を心がける | 過剰なサービスコストをかけすぎない工夫 |
顧客を疑わず、「問題解決」のパートナーになる
一時的な損失を恐れて顧客を拒絶するよりも、その場の問題を解決してファンになってもらう方が、将来的に大きな取引を生む可能性があります。
この原則を徹底することで、顧客との間に強い信頼関係が築かれ、事業は自然と成長の軌道に乗っていくものと思われます。
