「エスキモーに氷を売る」から学ぶ②

売上に悩むとき、多くの企業は「新規顧客」を探しに外へ出ようとしますが、実は最強の武器は目の前にあります。ここで語られる「カンフル策」とは、既存顧客との関係を再点火させ、最小のコストで最大の利益を生む魔法の手法です。

ジョン・スポールストラ著「エスキモーに氷を売る」(フォレスト出版)を参考にして。

目次

最強の「カンフル策」:既存客に「もう少しだけ」と直接頼む

マーケティングにおいて、大々的な広告や新規開拓は「劇薬」のように思われがちですが、著者はもっとも即効性のある手段を「カンフル策」と呼び、紹介しています。

それは、「現在の顧客一人ひとりに、もう少し買ってくれるように直接頼む」こと。

  • なぜ既存客なのか?
    まったく知らない人に商品を売るコストは、すでに一度買ってくれた人に売るコストの数倍かかります。信頼関係がゼロの状態から始めるよりも、すでに満足している人に「もう一歩」を促す方が圧倒的に効率的です。
  • 直接頼む勇気
    多くの企業が「そんなの通用しない」と決めつけますが、これは単に「断られるのが怖い」あるいは「やり方を知らない」だけだと著者は指摘します。
  • 購入頻度の向上
    週に一度来るレストランの客が、二週間に三度来るようになれば、それだけで売上は50%アップします。「頻度」の微増こそがジャンプ・スタートの鍵になります。

顧客リストは「眠れる宝の山」である

「カンフル策」を実行するために不可欠なのが、顧客の「名前・住所・電話番号」です。

著者は、顧客情報を捨ててしまうことを「宝の山をゴミ箱に捨てるようなもの」と厳しく戒めています。

本書で紹介されている、リスト活用によって死地から脱した2つの事例を比較してみましょう。

事例抱えていた問題実施した「カンフル策」もたらされた結果
金属探知機の販売新製品を出す資金も広告費もない。倉庫に放置されていた「保証書」から5,000人のリストを掘り起こし、手紙を送付。反応率10%超。
NJネッツ(NBA)弱小チームでファンが不在。
リストも毎年消去していた。
過去の購入者データを復元。
シーズンチケット保有者へ「追加限定パック」を提案。
わずか234ドルの経費で、10万ドルの追加売上を達成。

お客様の”名前”を大切にする。そのことが、強力なマーケティング・ツールへと変貌させます。

購入頻度を最大化し、文化をジャンプ・スタートさせる

事業を劇的に成長させるのは、華やかな広告賞を獲るようなクリエイティブではなく、「誰が関心を持ってくれているか」を把握し、かつ、その人たちにひたすらに寄り添うことであると考えられます。

”カンフル策”を成功させるための3つのステップをまとめます。

  1. あらゆる接点で名前を集める
    スケジュール表の送付、アンケート、子供からのファンレターに至るまで、関心を示したすべての人の情報をデータベース化する。
  2. 「特別な提案」を直接届ける
    全員に同じものを売るのではなく、既存客が喜ぶ「上位プラン」や「限定パッケージ」を用意し、直接案内する。
  3. 「それは使えない」という固定観念を捨てる
    どんな高額商品であっても、どんなB2Bビジネスであっても、最終的に買うのは「人」なのである。

ビジネスの停滞を打ち破りたいなら、まずは手元にある顧客名簿を見直しましょう。

既存顧客に「もう一度、もう少しだけ」と声をかける勇気こそが、あなたの会社をジャンプ・スタートさせます。

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この記事を書いた人

長崎で活動する
税理士、キャッシュフローコーチ

酒井寛志税理士事務所/税理士
㈱アンジェラス通り会計事務所/代表取締役

Gemini・ChatGPT・Claudeなど
×GoogleWorkspace×クラウド会計ソフトfreeeの活用法を研究する一方、
税務・資金繰り・マーケティングから
ガジェット・おすすめイベントまで、
税理士の視点で幅広く情報発信中

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