顧客が「欲しい」と思う少し前にアプローチすることで、競合を避けつつ売上を伸ばすヒントが隠されているかもしれません。エンドユーザーを知る重要性や、購入サイクルを早める具体的なアイデアについて。
ジョン・スポールストラ著「エスキモーに氷を売る」(フォレスト出版)を参考にして。
エンドユーザーの情報を把握するメリット
事業を成長させる上で、自社の商品を実際に使っている「エンドユーザー」の名前や住所を知ることは、非常に大きな意味を持つといえそうです。
例えば、自動車のメーカーの場合、直接の取引先である販売店のことは知っていても、実際に車に乗る顧客個人の情報をメーカー側が把握していないケースが少なくないようです。
顧客情報を知ることで、以下のようなメリットが期待できるかもしれません。
- 先回りのアプローチ
顧客が自ら「買おう」と思い立つ少し前に、こちらから働きかけることが可能になります。過去の購入データがその強力なヒントになります。 - 競争の回避
顧客が市場の他社製品と比較検討を始める「前」にアプローチできるため、他社との無用な競争を未然に防ぎやすくなるようです。
購入サイクルを少しだけ早める工夫
顧客の購入サイクルを早めて売上を伸ばすアイデアとは。
待っているだけではなく、過去の販売データを活用して適切なタイミングで提案することがポイントになるようです。
具体的には、車販売を例として、以下のようなアプローチが考えられます。
| アプローチの例 | 具体的なタイミングと内容 |
|---|---|
| 2台目の提案 | 最初の購入から約半年後を目安に、顧客の状況(例:古い車も所有している等)に合わせて、ミニバンなどの別の車を提案してみる。 |
| 買い替え時期の前倒し | 通常3年ごととされる買い替えサイクルを、2年半(2.5年)へと少しだけ早めるよう、新車の試乗などを魅力的に案内する。 |
買い替えのタイミングをほんの数ヶ月早めるだけでも、長期的に見れば得意客からの売上を大きく(例:50パーセント増など)伸ばせる可能性があります。
事業を飛躍させる協力体制づくり
エンドユーザーに最適なタイミングでアプローチするためには、流通に関わる関係者同士の「パートナーシップ」が鍵となります。
メーカー単独、あるいは販売店単独で行うのではなく、お互いの強みを活かして協力し合う仕組みが理想的です。
例えば、メーカー側が案内状の準備や郵送費用などのマーケティングコストを負担し、販売店側が顧客の名前(リスト)を提供するという形を取ることで、双方にとって有益な取組みになります。
顧客が他社へ目を向ける「前」に特別な提案を届ける仕組みを作ることが、事業を力強く前進させる(ジャンプ・スタートさせる)一つのきっかけになりそうです。
自身の事業では、顧客が「欲しい」と思う前に、どのような提案ができるでしょうか。
