アクティブ・リスニング

「聞く」は受け身ではないと考えられます。

ケイト・マーフィ著・篠田真貴子監訳、松丸さとみ訳「LISTEN」(日経BP)を読んで考えたこと。

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アクティブ・リスニングとは

アクティブ・リスニングとは、臨床心理学者カール・ロジャーズが提唱した「聞き方」で、日本語では「積極的な傾聴」と訳されます。

ロジャーズによると、アクティブ・リスニングについて、以下のように解説しています。

聞こえてくるのは、相手の言葉、考え、感情、その人にとっての意味、さらに話し手の無意識下にある意味も聞こえてくる。

積極的に聞くとは、相手の発する言葉のみならず、その根幹を集中して感じ取ることであると考えられます。

アクティブ・リスニングで積極的に得ようとすること
  • 言葉
  • 事実関係
  • 考え
  • 意図
  • 意味
  • 感情

これらを感じ取るには、相手の話や心情を十分に解釈する力が必要です。

これはさながらまさにキャッチボールであり、相手が投げかけてきた言葉と感情を正面から受け止めて、思いやりに満ちた質問や反応を返すということであり、まさに積極的な関わり方であるといえます。

そして、思いやりに満ちた質問や反応を返すには、「他人の経験や考えに喜んで耳を傾け、相手の視点を認められる能力」が必要であると考えられます。

事実の奥には「感情」がある

上記からいえることは、人が話すときとは、事実を伝えるとともに、その奥にある「理由」・「感情」を伝えようとしているということ。

ただ言葉を発すればよいということであれば相手は壁でもよければロボットでもよいわけですが、人はそれでは満足できず、どころか孤独感を感じてその不満を爆発させてしまうこともあり得ると考えられます。

人に話したいと思うのは、ただ”言葉を発する”ことをしたいのではなく、それを突き動かす「感情」「意味」があり、それを受け止めて欲しい・反応して欲しいと願うからであると考えられます。

言葉はあくまで注意を引くための手段に過ぎず、実際には、その言葉の裏にある「意図」「意味」を受け止め、反応して欲しいと願うからであると考えられます。

テクニックは意味をなさない

テクニックとしてよく解説される以下のようなものを切り取るようにして用いたところで、ほとんど相手の役には立たないと考えられます。

  • うなずく
  • オウム返しする
  • 別の言葉に言い換える

これらよりも、以下に気をつけるとよいと考えられています。

アクティブ・リスニングで気をつけること
  • 声色・表情など非言語面に気を配る
  • 問いかけをして理解を深める
  • 話し手と同じ感情になって聴く
  • 相手がなぜこの話を自分に聞かせているのか考える
  • 意味づけを伝える
  • 解釈を伝える
  • 相手が自分でも分かっていないことを引き出す

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