価格競争から脱却し、独自の強みで選ばれるビジネスへと転換するためにすべきことを考える⑤

素晴らしい価値や独自の強み(異常値)を持っていたとしても、それが届くべき人に届かなければビジネスは成立せず、たえず自分たちの価値を求めている人に正しく届ける努力が必要です。需要を正確に予測し、顧客からの信頼を獲得してあなたにお願いしたいと言われるための発信について。

菅原健一著「厚利少売」(匠書房)を読んで。

目次

需要を広げ、供給量を予測する「発信」の本質

「発信」と聞くと、多くの人が、認知度を高めるために、とにかく多くの人に見てもらうことを目的にしがちですが、重要なのは”広く浅く”ではなく、”狭く深く”届けることであると考えられます。

発信は、需要予測のツール

発信には、認知を得ること以上に重要な役割があり、このテーマに関心がある人がどれだけいるかを把握し、供給量を予測することです。

発信を通じて反応を見ることで、「どれくらいの需要があるか(=どれくらい供給すべきか)」を見極めることができます。

反応が薄ければコンセプトを修正し、反応が熱狂的であれば自信を持って高単価で供給する。

発信は、市場との対話ツールといえます。

需要が拡大したとしても、供給量を安易に増やさないことも戦略の一つです。

「需要>供給」の状態を維持することで、希少性が高まり、価格決定権を持ち続けることができます。

「フォロワー数」よりも「質」を重視する

数だけを追い求めると、相互フォローや流行に乗った投稿で数を稼ぐことに終始してしまいがちですが、そうして集まった人々が、高単価なサービスを購入してくれるとは限りません。

重要なのは、自身の「異常値(独自の強み)」に深く共感してくれる「質」の高い少数の人を見つけることであると考えられます。

たとえフォロワー数が少なくとも、あなたの発信を待ち望み、価値を深く理解してくれる人がいれば、事業は十分に成り立ちます。

むやみに手を広げない

まずは需要を見極める際に手応えのあったメディアを起点にし、仮説検証を繰り返しながら、軸足を定めて発信することが推奨されます。

「X(旧Twitter)で反応が良かった長文をnoteにまとめる」「Instagramの画像反応が良いからカタログ化する」といったように、確信を得てから段階的に広げていくのが賢明です。

選ばれるための「顔」と「肩書き」

高くても選ばれるために不可欠な要素は、「安心感」と「信頼」です。

発信者のキャラクターやプロフィールが、その信頼を左右する大きな要因となります。

「実名・顔出し」は信頼の証

高額な商品やサービスを購入する場合、顧客は「誰から買うか」を厳しくチェックします。

どんなに投稿内容が素晴らしくても、アカウント名が匿名だったり、アイコンがフリー素材だったりする人から、数十万、数百万のサービスを買おうとは思わないのが通常の感覚です。

責任の所在を明らかにする「実名・顔出し」は必須と考えるべきです。

「私は逃げも隠れもしません、自分のサービスに責任を持ちます」という姿勢を示すことが、信頼の第一歩となります。

「一般的な肩書き」を捨て、「異常値」を示す

プロフィール欄に、デザイナー・Webライター・経営コンサルタントといったありふれた肩書きを名乗ることは、自ら薄利多売の競争に飛び込むようなものなので、ひと目で”他とは違う(異常値である)”と思わせる「独自性」と、(キラキラではない)「知的なイメージ」が必要です。

”自分は何を提供する専門家なのか”を再定義し、言葉にすることで、選ばれる理由が明確になります。

かけ合わせ

「創造とは結びつけることである」という言葉があるように、異なる要素を掛け合わせます。

言い換え

類似する意味を持ちつつ、より提供価値が伝わる、あるいは知的なイメージの言葉に変換します。

プロフィールには、「過去」と「未来」を入れる

現在の立ち位置(今何をしているか)だけでなく、以下の2つの要素を入れることで、プロフィールに立体感と信頼が生まれます。

  • 過去(実績・経歴)
    何をしてきたかを事実として示します。
    「大手IT企業出身」「営業成績トップ」「〇〇人の指導実績」など、数字や固有名詞を交えることで、実力への説得力と安心感を与えます。
  • 未来(目的地)
    何を目指しているかというビジョンを示します。
    現状に満足せず、より高い場所を目指している姿勢(目的地と現在地の差)を見せることで、”応援したい”・”一緒にその景色を見たい”という感情(応援シロ)を抱いてもらうことができます。

「自己紹介」から「他己紹介」への転換

発信を続けることの最終的なゴールは、自分で自分を売り込む「自己紹介」のフェーズを卒業し、顧客が勝手に広めてくれる「他己紹介(口コミ)」で集客できるようになることです。

実績がなくとも、「過程」が価値になる

実績がない場合は、「目的地(未来)」を掲げ、そこに向かって努力するプロセスそのものを発信コンテンツにします。

実績がない段階では、とにかくインプット(学習)とアウトプット(発信)を繰り返し、無料でも良いので価値を提供し続けることで、”この人は勉強熱心だ”・”有益な情報をくれる”という信頼を積み重ねていく姿勢が将来の顧客を引き寄せます。

顧客が顧客を連れてくる好循環

売って終わりではなく、提供後も顧客の変化(価値)にコミットし続けます。

リピーターになってもらい、長い付き合いを通じて深い価値を提供し続けるのが理想です。

結果、顧客が「人生が変わった」「ビジネスが劇的に改善した」という圧倒的な変化を実感すれば、人はその喜びを誰かに伝えたくなるもので、”すごい人がいる”・”このサービスは受けたほうがいい”という、リピーターからの他己紹介で来る新規顧客は、すでにあなたの価値をある程度理解し、信頼した状態でやってきます。

そのため、ゼロから説得する必要がなく、コミュニケーションコストが大幅に下がり、ミスマッチも起きにくく、良好な関係を築きやすいものです。

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この記事を書いた人

長崎で活動する
税理士、キャッシュフローコーチ

酒井寛志税理士事務所/税理士
㈱アンジェラス通り会計事務所/代表取締役

Gemini・ChatGPT・Claudeなど
×GoogleWorkspace×クラウド会計ソフトfreeeの活用法を研究する一方、
税務・資金繰り・マーケティングから
ガジェット・おすすめイベントまで、
税理士の視点で幅広く情報発信中

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