読んだはずの本の内容や、保存したWeb記事、いざという時に確実な形で思い出することがなかなか難しいときがあります。その”記憶の限界”を補いひたたび得た情報をいつでも活用できる確実な「資産」に変えるためのツール「NotebookLM」が便利すぎて日常に馴染んでくれています。
人間の記憶と”呼び起こし”の壁
一度インプットした情報、人間の記憶には限界があり、必要な時にうまく”呼び起こして”活用することができないということは少なくないように思います。
- 「あの本に書いてあったはずなのに、どのページだったか思い出せない…」
- 「会議で良いアイデアをメモしたはずが、そのメモが見つからない…」
- 「断片的には覚えているが、正確な情報に自信が持てない…」
人間の脳はすべての情報を完璧に保存するコンピューターとは異なり、時間と共に記憶は曖昧にもなりますし、整理されない情報は脳の奥深くに”眠って”しまいます。
つまり、問題は、「インプットした情報を、必要な時に、必要な形で正確に取り出せないこと」にあると考えられます。
”記憶の壁”を越えるNotebookLMの機能
NotebookLMは、こうした”呼び起こしの壁”を乗り越えるために非常に役立つツールだと感じます。
ソースグラウンディング:信頼できる記憶の担保
NotebookLMの最大の特徴は、アップロードした資料(ソース)の内容だけを基に回答する点です。
LLMにありがちな、”この情報は本当に正しいのか?”と迷う機会も格段に少なくなり、ソースそのものの確認も容易です。
自分が信頼できると判断した情報源だけを知識のベースにできるため、情報の信頼性が担保された確実な記憶の保管庫となってくれています。
情報の加工・整理:曖昧な記憶の体系化
NotebookLMとの対話を通じ、保存した情報を様々な形で加工・整理できます。
- 要約: 長文のレポートや書籍の要点を瞬時に把握する。
- 比較: 複数の資料の共通点や相違点をリストアップする。
- 質問、相談、アイデア出し: 資料を確実に理解したり、新しい企画のヒントを得る。
これらの機能が、頭の中でぼんやりとしていた知識を、構造化された理解しやすい形へと体系化する作業をサポートしてくれます。
知識を再構築し、学習をサポート
NotebookLMは、インプットした情報を多様な形式に変換し、理解を深めたり記憶を定着させたりするサポートをしてくれ、ストックした知識を自分に合った形で再利用することができます。
- 学習コンテンツへの変換
資料の内容を基に、「要点をまとめたレポート」、「暗記用のフラッシュカード」、「理解度を確認するためのテスト」などを自動で作成することができます。 - 多様なフォーマットへの出力
複雑なトピックについて「マインドマップ」で整理させたり、「音声解説」や「動画解説」を作成させたりすることが可能です。
一度インプットした情報を様々な角度から確認したり、学び直したりすることで、知識をより確実なものとして定着させることができます。
確実な知識ストックと「人間の”気づき”と”問い立て”」とで、より良い判断を
NotebookLMを活用することにより、情報を「確実な知識ストック」として外部に保管することができます。
単に記憶の負担を減らすだけではなく、人間とNotebookLMが協働することにより、より根拠ある質の高い思考と判断を実現するための土台になってくれます。
活用の流れとして、以下のように整理できます。
- 人間の「気づき」と「問い立て」
すべての始点は、私たち人間の「そういえば以前聞いたことがある、読んだことがある、見たことがある!」「あれはどういうことだろう?」という知的好奇心や、「この課題を解決するにはどうすれば?」という問いです。 - 情報の呼び起こし(NotebookLM)
その問いを携えて、私たちはNotebookLMにアクセスします。NotebookLMは、保管された膨大な知識ストックの中から、問いに関連する情報を正確に呼び起こし、整理・加工して提示してくれます。 - 人間の「判断」
最後に、NotebookLMが提示した根拠を基に、人間が納得して「判断」を下します。
「人間(問い)→ NotebookLM(根拠)→ 人間(判断)」というサイクルにより、よりよい思考プロセスにすることができます。
曖昧な記憶に頼ることなく、人間ならではの洞察力と確実なデータを組み合わせることができることから、”より納得感ある判断”を下すことができます。
そして、”納得いく判断”が数多くできればできるほど、おのずと「行動の数が増えていっている」と感じています。