集客・販促としてできること②

お客様に商品やサービスを届けるまでの一連のプロセスを体系的に整理し、具体的な販促手法を一つひとつ見ていきます。

豊増さくら著「集客・販促術大全」(明日香出版社)を参考にして。

目次

集客・販促としてできることリスト(全体像)

ステップ1:知ってもらう
  1. Googleビジネスプロフィール
  2. Instagram
  3. Facebook
  4. Facebook グループ
  5. Facebookページ
  6. X(Twitter)
  7. ホームページ
  8. ブログ
  9. ポータルサイト
  10. 写真
  11. ショップカード
  12. チラシ
  13. ポスティング
  14. 看板・店舗
  15. のぼり
  16. ネット広告
  17. ネットショップ
  18. DM
  19. フリーペーパー
  20. 新聞折込
  21. プレスリリース
  22. クラウドファンディング
  23. 人的営業
  24. 異業種交流会
  25. イベント
  26. まちゼミ
  27. 内覧会
  28. 商談会
  29. ビジネスマッチング
  30. 展示会
  31. オープンファクトリー
  32. ビジネスプランコンテスト
  33. ふるさと納税
ステップ2:来店したお客様に購入してもらう
  1. 売り場作り
  2. メニュー表
  3. 品ぞろえ
  4. POP
  5. セールストーク
  6. セット商品
  7. 商圏分析
  8. 電子マネー
ステップ3:もう一度購入してもらう
  1. 接客
  2. クリンリネス(清潔さ)
  3. 身だしなみ
  4. 内装
  5. 次回予約
  6. 回数券
  7. LINE公式アカウント
  8. ニュースレター
  9. メールマガジン
  10. DM(対既存顧客)
  11. フォロワーを集める

集客・販促としてできることリスト(来店したお客様に購入してもらう)

売り場作り

お客様の購買意欲を喚起するために、お店の空間全体を戦略的に作り込みます。
どこに何があるか分かりやすいだけでなく、お店のコンセプトが伝わるディスプレイや、思わず立ち止まってしまうような魅力的な商品陳列が求められます。
外から見て「何のお店か分かる」「入ってみたい」と思わせる工夫も、入店率を高める上で非常に重要です。

  • 見通しの良いレイアウトを心がける
    入り口から店の奥まで見渡せるように背の高い什器を手前に置かないようにします。お客様が店内を回遊しやすくなり商品購入の機会が増えます。通路幅は人がすれ違える1.2m以上が理想です。
  • 関連商品を近くに置く
    例えば、スーツ売り場の近くにワイシャツやネクタイを置くことで、「ついで買い」を促すことができます。
  • ディスプレイに立体感を出す
    商品を平面的に並べるだけでなく、壁面を有効活用したり、箱に布をかけて高さを出したりするだけでも、売り場は格段に魅力的になります。商品を三角形の形に配置する「三角構成」は、バランスが良く見えやすいので基本テクニックとして有効といわれています。

メニュー表

お店が提供する商品やサービスの一覧表です。
単に品目と価格を並べるだけでなく、「何がおすすめなのか」を示すための重要なコミュニケーションツールです。
特に売りたい商品を写真付きで大きく掲載したり、「人気No.1」といったマークをつけたりすることで、お客様の注文を誘導し、客単価アップにつなげる効果が期待できます。

  • 「推し商品」を戦略的に決める
    売上と利益率のバランスから商品を分析し(クロスABC分析)、「利益率が高くたくさん売れると嬉しい商品」を明確にしましょう。その商品をメニュー表で目立たせることで、お店の利益向上に直接つなげることができます。
  • 松竹梅の法則(サンドイッチ法)を活用する
    売りたい商品を、それより高い価格と安い価格の商品で挟むと、中間の価格のものが選ばれやすくなるという心理効果があります。例えば、15,000円のコースを一番上に掲載することで、次に載っている12,800円のコースがお得に感じられるようになります。

品ぞろえ

お店に置く商品のラインナップのことです。
大切なのは、お店のコンセプトやターゲット顧客に合わせて、「何を扱い、何を扱わないか」を明確にすることです。
例えば「いい睡眠」をコンセプトにする寝具店が、あえて化学繊維の毛布を扱わないと決めるように、品ぞろえに一貫性を持たせることで、お客様からの信頼が深まり、ファン(リピーター)の獲得につながります。

  • コンセプトに基づき商品を絞り込む
    「選択肢が多すぎると逆に選べずに買うのをやめてしまう」という心理現象(選択のオーバーロード)があります。お店のコンセプトに合わない商品や、混沌とした印象を与える商品は、思い切って売り場から外す(商品カット)ことで、かえってお客様が選びやすくなり、売上につながることがあります。
  • 今いるお客様のために品ぞろえを増やす
    新しい商品を導入する際は、「他店で売れているから」という理由だけでなく、「今いるお客様の別のニーズに応えられないか?」という視点で考えてみましょう。例えば、キッズダンススクールが、生徒たちの「衣装から見えるムダ毛が気になる」という悩みに応えて、キッズ脱毛サービスを始めるような形です。

POP

商品の横などに置く小さな販促用の広告。
「Point Of Purchase(購入時点)」の略で、お客様が商品を手に取るその瞬間に、商品の魅力やおすすめの理由を伝えることで、「ついで買い」を促す効果があります。
手書きのPOPは親しみやすさを演出できますが、お店のブランドイメージに合わせてデザインを統一することも大切です。

  • 五感に訴える言葉を選ぶ
    「つるっつるでのどごし最高!」「ふわっふわの食感」のように、食べた時や使った時の感覚がイメージできる言葉は、お客様の「試したい!」という気持ちを強く刺激します。
  • お客様の悩みを解決する提案をする
    商品の特徴を説明するだけでなく、「〇〇でお悩みの方へ」「これを着るだけで〇〇に見える!」といったように、お客様が抱える悩みや願望に直接アプローチするキャッチコピーは非常に効果的です。

セールストーク

お客様の購入意欲を高めるための声かけや商品説明のこと。
一方的に話すのではなく、まずはお客様が何に困っているのか、何を求めているのかを聞き出す「ヒアリング」が重要です。
その上で、商品のメリットを短い言葉で伝えたり、実際に触ったり試してもらったりすることで、お客様は心から納得して購入を決断できます。

  1. 探る
    まずは「何かお探しですか?」「今お使いのもので、何か気になっていることはありますか?」など、お客様が商品を手に取った理由や背景にある悩みを探ります。
  2. メリットを伝える
    お客様の悩みが分かったら、「でしたら朝までぐっすり眠れるこのお布団がありますよ」のように、その悩みを解決できるというメリットを10秒以内の短い言葉で伝えます。
  3. 体験してもらう
    「よろしければ、ぜひお試しください」と促し、実際に商品に触れてもらったり、試着・試食してもらったりします。体験している間は、長々と説明しすぎないことも大切です。
  4. 質問で締めくくる
    最後に「いかがですか?」と感想を聞くのではなく、「ふんわりしたものと、密着感のあるもの、どちらがお好みですか?」のように、お客様が「選ぶ」状況になる質問を投げかけることで、自然に購入へと誘導します。

セット商品

複数の商品を組み合わせて販売する手法。
例えば飲食店で、単品だけでは物足りないお客様のためにドリンクやポテトのセットを用意すると、スムーズに客単価を上げることができます。
また、「たくさん売れるが利益率の低い商品」と「あまり売れないが利益率の高い商品」を組み合わせるなど、在庫削減や利益率改善の手段としても有効です。

  • お客様の悩みを解決する組み合わせを考える
    ただ商品をまとめるのではなく、「お客様のどんな悩みを解決できるか」という視点でセット内容を考えます。例えば、美容効果を高めるために「ヘッドスパ+足スパセット」を提供するなど、セットで使うことの相乗効果をアピールします。
  • ストーリー性のあるネーミングを考える
    動物園のフードコートで「アメリカンセット」や「パーティセット」と名付けるように、その場所や利用シーンが思い浮かぶような名前をつけることで、お客様は楽しく、価値を感じて商品を選ぶことができます。

商圏分析

国勢調査などの公的なデータを活用し、お店の周辺地域にどのような人々が住んでいるか(年齢層、世帯構成など)を分析すること。
例えば「ファミリー層が多い」と分かれば、親子で楽しめるキャンペーンを企画するなど、地域の特性に合った品ぞろえや広告戦略を立てるのに役立ちます。総務省統計局が提供する「JSTAT MAP」などの無料ツールで手軽に分析できます。

電子マネー

現金ではなく、スマートフォンやカードなどで支払いを行う決済方法。
多様な決済手段を用意することはお客様の満足度向上につながります。
また、決済サービス事業者が行うポイント還元キャンペーンは、お店側が値引きをしなくてもお客様にお得感を提供できるため、効果的な販促ツールとなり得ます。

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