売上アップの設計図となる「販売促進の全体像」について。
豊増さくら著「集客・販促術大全」(明日香出版社)を参考にして。
すべての土台となる「思い」と「信頼関係」
なぜ事業に「自分の思い」が重要なのか?
販売促進の目的は、突き詰めれば以下の3つに集約されます。
- 商品やサービスを知ってもらう
- 実際に購入してもらう
- ファンになってもらい、繰り返し購入してもらう
これらを実行する上では、根幹となる「大切にしたいこと(=思い)」と、「お客様との信頼関係」がなければ、活動は長続きしません。
日々の業務に追われていくなかでは、”何のためにこの事業をしているのだろう”と立ち止まってしまうこともあります。
そのような時、進むべき方向を指し示してくれるコンパスの役割を果たすのが、この「大切にしたいこと(=思い)」になります。
この「大切にしたいこと(=思い)」が一貫した行動を生み、そして、その行動がお客様からの信頼へとつながっていきます。
お客様は、単にモノやサービスを買っているだけではなく、その背景にある「思い」や「ストーリー」に共感し、応援したいと感じた時に、初めて事業のファンになってくれます。
3つの問いで掘り下げる、事業の”核”になるもの
事業において「大切にしたいこと(=思い)」を言葉にしてみるとよさそうです。
【ビジネスの核を見つける3つの問い】
問い | 考えるヒント |
---|---|
1. 誰を、何のために? | あなたが心から喜ばせたいお客様はどんな人ですか? その人のどんなお困りごとを解決したいですか? |
2. 何を、どのように? | そのお困りごとを解決するために、あなたはどんな商品やサービスを提供しますか? |
3. 結果として、どうなりたい? | お客様が幸せになり、その結果としてあなた自身はどんな状態(収入、やりがいなど)になっていたら理想ですか? |
この3つの問いへの答えが、今後の活動の判断基準となり、支える力になってきます。
現状を整理し、次の一歩を見つける
大切にしたいことが明確になったら、次は具体的な行動計画を立てることができます。
その前に、現在の活動が”惰性”になっていないかを振り返ってみる必要があります。
- 流行っているからと始めたものの、更新が止まってしまっているSNS
- 昔作ったきり、内容を見直していない文字だらけのチラシ
- 名刺交換はしたものの、その後のフォローができていない
【現状整理と計画のための4ステップ】
- 現在の活動を書き出す
「知ってもらう」「買ってもらう」「また買ってもらう」の3つの目的別に、今やっていることをすべて書き出してみます。 - 手応えを評価する
書き出した活動それぞれについて、「効果を実感できているか」「手応えがあるか」を、直感で点数付けしてみましょう。 - 改善点や新しいアイデアを考える
ステップ2で点数が低かったものや、活動が空欄だった項目について、「どうすればもっと良くなるか?」「新しく何を始められるか?」という視点で、改善点や新しいアイデアを書き出します。 - 具体的な目標を決める
ステップ3で出てきたアイデアに対し、「今週中に〇〇を調べる」「来月までに〇〇を始める」「登録者数〇〇人を目指す」といった、具体的な目標を設定します。
このステップを踏むことで、漠然としていた課題が明確になり、次に何をすべきかが具体的に見えてきます。
”売上を構成する3要素”から導く、販売促進の全体像
少ない労力で効果を最大化する「作戦」を立てる
限られた時間や資金の中で成果を出すためには、賢い「作戦」が不可欠です。
その作戦を立てる上で重要なのが、「売上」を以下の3つの要素に分解して考えることです。
売上 = 客数 × 客単価 × リピート率
つまり、売上を上げるためには、「新しいお客様を増やす」・「一人のお客様が使う金額を増やす」・「お客様が繰り返し利用してくれる頻度を上げる」のいずれかにアプローチするということになります。
販売促進の全体像をデザインする3ステップ
STEP 1:施策の選択肢を洗い出す
「客数」「客単価」「リピート率」それぞれ増やすための施策には、どのようなものがあるかを知ることから始めます。
目的 | 具体的な施策の例 |
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客数を増やす | ・テレビCM ・新聞広告 ・Googleビジネス ・地域のイベント(まちゼミなど)への参加 |
客単価を高める | ・値上げ ・セット商品を作る ・関連商品をおすすめする(クロスセル) |
リピート率を高める | ・お客様が心地よいと感じる接客 ・季節限定商品 ・清掃 ・LINE |
STEP 2:自社に合った施策を選ぶ
STEP1で洗い出した選択肢の中から、自分にに最適なものを選んでいきます。
- お客様は普段どのような情報源に触れているか?
- お客様が「また来たい」と思う決め手は何か?
例えば、一見分かりやすい”テレビCM”は多くの事業者にとって現実的ではありません。それよりも、SNSでの発信や、心地よい接客を徹底する方が、費用をかけずに再来店につなげられる可能性があります。
STEP 3:実行し、改善を続ける
選んだ施策を実行し、その結果を振り返り、”どうすればもっとうまくいくか?”を考えて改善を続けていきます。
一度試して終わりではなく、お客様の反応を見ながら継続的に取り組んでいきます。