チョコレートには実に様々な種類があります。
株式会社明治チョコレート検定委員会監修「チョコレート検定 公式テキスト 2024年版」(Gakken)を参考にして。
目次
チョコレートの種類(製造方法による分類)
チョコレートには、実に様々な種類があります。
製造方法で分類すると、以下のような種類があります。
- モールド製法のチョコレート
- シェルチョコレート
- 糖衣チョコレート
- ホローチョコレート
- エンローバーチョコレート
- パンコーディングチョコレート
- チョコレート菓子
※イラストは、AIツール(DALL-E)を使用して作成しています。
モールド製法のチョコレート
- 液状のチョコレートを、型に流し込んで冷やして固める方法(最もオーソドックスな方法)
- いわゆる型抜きチョコレート
- 型を英語でモールドということから名付けられている
- いわゆる板チョコレートもモールド製法であり、特に「ソリッドチョコレート」(チョコレートバー、フランス語ではタブレット)と呼ばれる
- 正方形の薄型チョコレートのことは、「キャレ」(フランス語で正方形・四角の意味)とも呼ぶ
- ナッツなどを入れた粒チョコレートを作ることもできる
- モールドは、古くは金属、今ではプラスチック(ポリカーボネート)が主流だが、軽く押し出すだけで外すことができるシリコンゴム製のものも出てきている
シェルチョコレート
- ベルギーで生まれた古典的製法
- ボンボンショコラを作るための製法として生まれた
- 型にクリーム状や液状のものを入れて包み込む
- 型に液状にチョコレートを流し込む
→逆さにする
→振動させ余分なチョコレートを落とし型についたチョコレートだけを残す
→冷やして固める
→シェル(型に残ったチョコレート)ができる
→ガナッシュ・プラリネ・フルーツジャム・リキュールなどを流し込む
→液状のチョコレートで蓋をする
→再度冷やし固める
→型から外す(反転させているため、フタをした面が底になる) - 近年では、①冷却した金属型を押し当ててシェルの厚みを均一にする方法、②シェル生地と中身をダブルノズルで絞り込む方法(ワンショット法)が登場している
糖衣チョコレート
- 丸いチョコレートに砂糖液をかけて乾燥を繰り返す
- 砂糖の結晶による覆いを糖衣という
- 色付けした糖液で色付けしたり、光沢をもたせることもできる
- メリットとして、高い温度に触れても、糖衣層に保護されてすぐには溶けないという点がある
ホローチョコレート
- 中が空洞になるよう作られた立体チョコレート
- 2枚の型を合わせる
→中に適量の液量チョコレートを流し込む
→回転させて内側にチョコレートを行き渡らせる
→冷却する
→固まった後に型を開いて取り出す - 中が空洞になると、細工の細かい部分が壊れにくくなる
- 型は、人形、動物、乗り物、建物などあらゆるものがある
- 造形を楽しむために作られる
- ヨーロッパでは、イースターで卵型がよく作られる
- 中に他のお菓子、おもちゃなどを入れる
エンローバーチョコレート
- エンローバー(フランス語で”覆う”・”包む”の意味)とは、チョコレートでコーティングする専用機械
- 薄くチョコレートでコーティングする
- 金網のコンベアに、中身(ガナッシュ、ヌガー、ビスケット、ウェハースなど)を乗せる
→横に移動させながら、上からチョコレートをカーテン状に流し落とす
→チョコレートをくぐらせた中身は、全部または一部がチョコレートに覆われる
→振動を与えたり、ブロワーで風を当てて、余分なチョコレートを落とす - チョコレートは「上がけ」のほか、「下がけ」や「全体がけ」などもある
- 中身に付着するチョコレートの量は少しなため、付着しなかったチョコレートは粘度調整のために再び加熱やテンパリングが必要となる
- 手間はかかるが、色々なチョコレート製品を量産できるため、重宝される製法
パンコーディングチョコレート
- ナッツ、キャンディーなどを中身にし、チョコレートコーティングしたチョコレート製品
- 回転釜(コーティングパン)という機械を用いる
- パンワーク、かけ物、釜がけなどともいう
- 傾斜をつけた回転釜に中身となる素材を投入
→回転を加えながらブロワーで冷風を吹きつける
→チョコレートを一定の間隔でスプレーする
→傾斜と回転によって、チョコレートが中身に均一に付着する
→徐々にコーティングの層が厚くなっていく
→チョコレート同士が互いにぶつかり合うことで表面が滑らかなボール状になっていく
→中身にあわせて形が仕上がる
チョコレート菓子
- スナック菓子、ビスケットなどの焼き菓子とチョコレートを組み合わせた菓子のこと
- 食べやすい食感のため、世代・性別を問わず好まれている
- チョコレートは、吹き付けたり、かけたり、中に入れたりして使われる
- 味も形も豊富