チョコレートには実に様々な種類があります。
株式会社明治チョコレート検定委員会監修「チョコレート検定 公式テキスト 2024年版」(Gakken)を参考にして。
目次
ボンボンショコラとは
ボンボンショコラとは、「ひと口サイズのチョコレートの総称」とされています。
ボンボンはフランス語で、”ひと口サイズの砂糖菓子”を意味するそうで、チョコレートに限っていえば、”ボンボン・オ・ショコラ”が正式ということになります。
起源は、イタリアからアンリ4世に嫁いだマリー・ド・メディシスがフランス宮廷にもたらしたドロップのことをボンボンと呼んでいたから生まれた言葉であるといわれています。
同様のものを、ベルギーでは”プラリーヌ”、スイスでは”プラリーネン”というそうです。
ボンボンショコラの起源と経緯
- ベルギーの老舗チョコレートブランド「ノイハウス」から生まれたとされる。
- 1857年、スイス出身の薬剤師ジャン・ノイハウスがベルギーのブリュッセルで菓子と薬を売る薬店を開いた際に、当時はまだ薬とされていたチョコレートを置き始めた。
- ジャン・ノイハウスの息子がチョコレート専門店を開業。
- ジャン・ノイハウスの孫(ジャン・ノイハウスJr.)がシェルチョコレート製法を開発。
- 飴を絡ませたナッツ類のペーストをチョコレートで包んだひと口大の粒状チョコレートを誕生させ、ボンボンショコラが生まれる。
- 詰め物をした粒チョコレートを「プラリーヌ」と名付け、専用箱のバロタンに美しく並べた。
※プラリーヌはいわゆるプラリネ(ナッツ類ペースト)とは異なるものとして区別している。 - ベルギーはチョコレート専門店が多く、首都ブリュッセルには100を超える店舗があるといわれ、ボンボンショコラの主流は伝統製法を用いたシェルチョコレートとされる。
ボンボンショコラの構造
- 一般的に、中身をシェルやチョコレートで覆い、保存性を高める構造になっている。
- シェルで覆う→シェルチョコレート製法
- コーティングする→エンローバーチョコレート製法or手作業によるコーティング
中身の種類
ガナッシュ | ・チョコレートをベースに加温した生クリームを混ぜ合わせ、クリーム状の食感に仕上げたもの ・水分が含まれているため、保存性が低い ※生クリームとチョコレートの比率は、1:3から1:1の比率 ※チョコレートと生クリームを乳化させることがポイント ※バターやリキュールやピューレを足すこともある |
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プラリネ | ・砂糖を煮詰めた糖液を、ローストしたアーモンド、ヘーゼルナッツにかけたもの ※細かく砕いたものやローラーにかけてペースト状にしたものも含まれる |
シャンドゥーヤ | ・ローストしたアーモンド、ヘーゼルナッツに砂糖を加えてすり潰してペースト状にし、チョコレートを加えてローラーにかけたもの ※イタリアでは、固形状にしたチョコレートが出回っている |
マジパン | ・ローストせずに蒸した皮むきアーモンドと砂糖を1:2または2:1などの割合で挽いてペースト状にしたもの ・食べごたえのあるねっとりとした食感 |
キャラメル | ・砂糖や水飴を煮詰めたり焦がしたり、生クリームやバターを加えた煮詰めたりしたもの ※塩を加えた塩キャラメルも人気がある |
ヌガー | ・砂糖と水とはちみつなどを低温で煮詰めたシロップにし、ナッツ・ドライフルーツ・果物の砂糖漬けなどを加えて固形にした砂糖菓子 (空気を含まない茶色いヌガーと、卵白やゼラチンを入れて空気を含ませた白いヌガーとがある。) |
フォンダン | ・砂糖と水と水飴などを煮詰めたシロップを冷ましてから練り合わせて白いペースト状にしたもの (果物やリキュールのボンボンを作るときの中身に遣われる) |
パート・ド・フリュイ | ・果物のピューレや果汁に砂糖を加えて煮詰め、ペクチンで固めたフルーツゼリー |
ボンボンショコラのバリエーション
- トリュフ(球形のものでトリュフと形が似ているため名付けられている)
- アマンド・ショコラ(ローストしたアーモンドをカラメルとチョコレートでコーティングし、ココアパウダーをまぶして仕上げる)
- オランジェット(オレンジなどの柑橘類の皮を細長く切って砂糖漬けにしたもの)
- マンディアン(コイン形をしており、アーモンド・ヘーゼルナッツ・干しイチヂク・レーズンが乗っている)
※托鉢修道会(ドミニコ、カルメル、フランシスコ、聖アウグスチノ)の修道服の色にちなんでいる - 副素材→アーモンド・ヘーゼルナッツ・クルミ・オレンジ・フランボワーズ・リキュール・エッセンスなどに加え、最近では、ハーブ・スパイス・柚子・抹茶・山椒・フェーブドカカオ(ローストしたカカオ)・カカオニブ(カカオ豆の外皮や胚芽を取り除きローストして粗く砕いたもの)なども合わせられている