チョコレートには実に様々な種類があります。
株式会社明治チョコレート検定委員会監修「チョコレート検定 公式テキスト 2024年版」(Gakken)を参考にして。
目次
生チョコレート
- 冷やして固形化させたガナッシュを、主に四角い立体に切り分けて食べるチョコレート。
- ココアパウダーや粉糖をまぶして仕上げる(=ガナッシュそのもの)。
※コーティングするとボンボンショコラになる。 - 口づけを楽しむことができる。
- 日持ちはしない(当日または数日)。
- 副材料:クリーム、水飴、リキュール、果物ピューレ、抹茶など。
- 日本における生チョコレートの規格
→チョコレートにクリームを練り込んだ水分の多いチョコレートで、風味づけのために洋酒・キャラメル・果物ペーストなども練り込んだガナッシュそのもの(あるいは主体としたもの) - チョコレートの表示
→全国チョコレート業公正取引協議会制定・消費者庁・公正取引委員会が認定した「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」にて規定
①チョコレート生地にクリームを含む含水可食物を練り込んだもののうち、チョコレート生地が全重量の60%以上のもので、水分が全重量の10%以上であるもの
②上記にココアパウダー、粉糖、抹茶等の粉体可食物をかけたものorチョコレート生地で殻を作り、内部に適合するチョコレートを入れたものであって、そのチョコレートが全重量の60%以上のもので、チョコレート生地の重量が全重量の40%以上であるもの - ヨーロッパでは、パヴェ(石畳)と呼ばれる(まぶした粉糖が石畳の上の雪のように見えたため)
クーベルチュール
- クーベルチュールとは、フランス語で”クヴェールチュール(毛布などの覆うもの)”を指し、”カバーするためのチョコレート”という意味となる。
- ココアバターの含有量が多く、チョコレートの粘性が低いため、薄くコーティングできるという性質がある。
- ボンボンショコラなど、かけたりコーティングしたりするときに使われる。
- ケーキやデザートへの華やか・繊細なコーティングや飾りつけにも使われる。
- 板状、小さなコイン型、ダイス型などがある。
- 通常は、品種や産地の異なるカカオ豆をブランドして作られ、ブレンドすることで味わいに複雑さ・奥深さが生まれ、メーカーや製品の個性につながる。
- 産地が単一のカカオ豆で作る場合、「シングルビーン」という。
- バリエーション:キャラメル、コーヒー、オレンジなど。
- 国際規格(CODEX)→ココアバター31%以上、非脂肪カカオ分(固形分)2.5%以上、合計で総カカオ分35%以上になるものを指す。
- 日本には規格がなく、全国チョコレート業公正取引協議会で制定された日本のチョコレート及び準チョコレートの成分規格「チョコレート生地の定義」が設けられているのみ。
- 日本での製菓材料としては、「チョコレート利用食品の表示に関する公正競争規約」にて、チョコレートスプレッド、チョコレートコーティング等が定義にて基準化されている。
- クーベルチュールのカカオ分の割合→ココアバター・固形分以外に、追油(もとからの分に加えて7~14%ほどの追加のココアバター)したココアバターを合計したもの
- 追油することで、滑らかさを増し、チョコレートの流動性を高める。
- カカオ分35%から100%近いものまでバリエーションがある。
- カカオ豆の原価が高いことから、カカオ分を多く含んでいればいるほど高くなる。
クーベルチュールの種類
ダーク | ・スイート、ビターなどと呼ばれることもある ・カカオ分以外はほとんどが砂糖=全体からカカオ分を引いた数値が甘さとなる (カカオ分55%(=砂糖分44%)など) ・砂糖よりカカオのほうが原価が高いため、カカオ分が多いものほど価格も高くなる ・カカオ分55~60%は扱いやすいが、70%以上になると固まる力も強くなる |
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ミルク | ・乳製品を加えたチョコレート ・乳成分:牛乳から水分を取り除いた全粉乳と脱脂粉乳など ・粉乳を加えると全体の粘度が上がるため、追油のココアバターを増やして流動性を高める ・粉乳を加える分、ダークより砂糖の量が少なくなることもある ・色味や風味は優しくなり、乳製品特有のコクも出る ・味や質が、カカオ豆以外に、粉乳の質によっても左右される ・カカオ分と粉乳の組合せが複雑な分、メーカーによって味の違いがダーク以上に出やすい ・乳製品に含まれるカゼインが50℃以上になると凝集しやすくなる |
ホワイト | ・31%以上のココアバターを含んでいることが多いが、非脂肪カカオ分が入っておらず、色が白~黄色になる ・非脂肪カカオ分が入っていないため、多くはカカオ分は35%に満たず、規格外となる(輸入の際にはチョコレート類としては取り扱われない)。 ・チョコレート菓子の原材料として多用されている。 ・乳製品を含むことから50℃以上にはならない注意が必要 |
- ダーククーベルチュール(カカオ分55%の場合)
カカオ豆26.4%+固形分21.6%+追油ココアバター7%+砂糖44%+レシチン・香料1%未満 - ミルククーベルチュール(カカオ分35%の場合)
カカオ豆6%+固形分5%+追油ココアバター24%+粉乳24%+砂糖40%+レシチン・香料1%未満 - ホワイトクーベルチュール
カカオ豆31%+粉乳28%+砂糖40%+レシチン・香料1%未満
主なクーベルチュールのブランド
- カカオバリー(フランス)
- ヴァローナ(フランス)
- ヴェイス(フランス)
- ベルコラーデ(ベルギー)
- カレボー(ベルギー) ※世界で初めてクーベルチュールを作ったとされている。
- 大東カカオ(日本)
- 不二製油(日本)
- 明治(日本)