チョコレートの主原料「カカオ」①

チョコレートのことを知るには、主原料「カカオ」のことをよく知る必要がありそうです。

株式会社明治チョコレート検定委員会監修「チョコレート検定 公式テキスト 2024年版」(Gakken)を参考にして。

※イラストは、AIツール(DALL-E)を使用して作成しています。

目次

カカオとは

「カカオ」とは、学名を「テオブロマ・カカオ・リンネ」というアオイ科の植物です。

スウェーデンの植物学者リンネが命名しており、ギリシャ語で、テオは神々・ブロマは食べ物を意味することから、”神々の食べ物”を名前に持つ貴重な植物であるといえます。

古代メソアメリカにおいては、神々に捧げられた特別な植物で、実際、カカオの実を神に捧げている石彫がメソアメリカ各地で出土しているようです。

栄養と美味しさのかたまりでもあります。

カカオの実は、英語で「カカオポッド」、フランス語で「カボス」と呼ばれます。

また、チョコレートは、スペイン語「チョコラテ(chocolate)」の英語読みです。

カカオの歴史

  • 最初は、カカオポッドの中の白い実を鳥や猿が食べていたと考えられる
  • 紀元前3300年頃に、エクアドルで食用として摂取されていたとされる
    カカオ豆をすり潰し、ザラザラしていて濃く甘みがなく、唐辛子やトウモロコシ粉を混ぜたスパイシーな飲み物であったと考えられている
  • 16世紀初、メキシコのアステカ帝国を征服したスペイン人エルナン・コルテスによってヨーロッパで広められる
  • ヨーロッパに広まる過程で、甘い飲料に改良されていく
  • 19世紀、ココアプレス(搾油)技術が発明され、飲みやすくなる
  • 1847年、イーティングチョコレート(食べるチョコレート)が誕生する
  • 1876年、スイスで、ミルクをブレンドしたミルクチョコレートが考案される
カカオの白い実

カカオの生態~出荷

  • 発芽・成木
    :風に弱く直射日光を好まず、日陰樹のバナナなどと一緒に育てられる。高さ6~7m、幹の太さ10~20cm、3~4年目から結実。
  • 開花
    :幹の太いところから花をつけ、1年中咲く。花は、大きさ1cm、色は白・ピンク・黄・赤など様々。香りは弱い。
  • 結実
    :花は、受粉したら結実し、約6ヶ月後に収穫時期を迎える。幹の太いところに直接大きな実をいくつもぶらさげる。実はカカオポッドと呼ばれ、ラグビーボール状に成長する。長さ約15~20cm、直径7~15cm、重さ250g~1kgほどになる。年に2回収穫が可能。1本の樹に年間10~40個ほどつく。
  • 収穫・ポッド割り
    :ナタやナイフをつけた長い棒でカカオポッドを切り落とし、割り、カカオ豆を白いパルプごと取り出す。カカオポッドの中には、パルプと呼ばれる白くヌルヌルした甘酸っぱい果肉がカカオ豆の周囲に存在する。1個のカカオパッドの中に、30~40粒のカカオ豆が入っている。カカオ豆は種子なので、土に植えれば芽が出る。
  • 発酵
    :バナナの葉で覆ったり木箱に入れたりして発酵させる。白いパルプは発酵の過程で液化して消失するので、カカオ豆を取り出すことが可能になる。発酵によりチョコレート色になり、独特の香りを放つようになる。
  • 乾燥
    :発酵後のカカオ豆は水分を40%以上含んでいるため、7%程度になるまで天日または機械で乾燥させる。
  • 出荷
    :品質検査を経て麻袋に詰められ、船舶で輸出される。

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