上司や関係者に話を聞きたいのに何を聞けばよいか分からず手が止まる場面があります。Claude Codeには、ヒアリングしたい相手と関心ごとを5〜8行の箇条書きで渡すだけで、「上司向け・IT部門向け・同僚向け」の3層に分けた質問リストを10分ほどで1ページにそろえてもらうことができます。誰に何を聞くのかがひと目で分かるので、聞き漏らしが減り、反対意見も先回りして拾いやすくなります。
ひつじ・染谷昌利「あらゆる仕事が爆速化する Claude Code徹底活用術」(日本実業出版社)を読んで。
立場の違う相手には、聞くことも違う
「何を聞けばいいか」で手が止まる
新しい取り組みを進めたいとき、話を聞くべき相手は一人ではありません。
決める立場の人、仕組みに詳しい人、現場で実際に使う人では、気にしていることがまったく違います。
それぞれに合わせた質問を考え、メモに書き出し、推敲して……と進めると1時間以上かかってしまいます。
時間をかけても、聞き漏らしが出たり、話があちこちに広がったりして、提案が弱くなる場合があります。
上司・IT部門・同僚の3層に分けると、一目で見える
Claude Codeが作る質問リストは、相手ごとに聞く目的が分かれています。
| 上司向け(判断軸) | 最終的に判断する人に、費用感・効果測定・リスク管理を聞く |
|---|---|
| IT部門向け(技術・セキュリティ) | 仕組みに詳しい人に、セキュリティ・データ管理・契約形態を聞く |
| 同僚向け(現場運用) | 現場で動く人に、試験導入のメンバー選びや、社内のヘルプ体制を聞く |
書籍では会社員の方を想定した例です。
経営者であれば、「上司」は共同経営者、費用の相談先になる金融機関・顧問の専門家など判断に関わる人、「IT部門」は取引のあるITベンダーやITに詳しい外部の人、「同僚」は実際に使うスタッフに置き換えて考えることができます。
小さな会社では1人が複数の役を兼ねることも多いですが、3つの視点を分けて質問を用意しておくと、聞き忘れが出にくくなると考えられます。

Claude Codeに3層の質問リストを作ってもらう手順
手順1:相手と関心ごとを5〜8行書き出す
整理された質問を考える必要はなく、聞きたい相手とそれぞれに聞きたいことの方向性を、ひとことずつ5〜8行書くだけで十分です。
書籍では、次のような粒度が例に挙げられています。
- 上司(営業本部長):費用感/効果測定/リスク管理
- IT部門:セキュリティ/データ管理/契約形態
- 同僚(営業企画マネージャー):試験導入メンバーの選定/社内のヘルプ体制
経営者の場合は、例えば新しいソフトやAIツールを使い始めるときに、「共同経営者:費用と効果の見方」「ITに詳しい外部の人:情報の守り方と契約の形」「スタッフ:試しに使う人の選び方と、困ったときの相談先」のように書けば足りそうです。
手順2:2つのメモを参照させて依頼する
書籍では、前の節までに作った2つのメモ(現状課題メモと他社事例まとめ)が入った「Claude導入提案」フォルダを、Claude Codeで開いておくとされています。
そこへ、3枚目として「ヒアリングシート」を作ってもらう流れです。
送る内容は、次の3点です。
- 保存先と名前
同じフォルダに「03_ヒアリングシート.md」という名前で保存してほしいと伝える - 前提にするメモ
同じフォルダの現状課題メモと他社事例まとめを踏まえ、試験導入の合意形成に向けた質問にしてほしいと伝える - 質問の数と切り口
相手ごと・関心ごとに合わせた質問を5〜7問ずつまとめてほしいと伝え、手順1の書き出しを添える
2つのメモを踏まえて作るので、質問が一般的な内容にとどまらず、自社の困りごとと他社の事例に沿ったものになります。
手順3:質問の抜けと、相手との対応づけを確認する
返ってくるのは、相手ごとに分かれた質問リストです。
各相手には「目的」が付いており、書籍の例では、上司(営業本部長)向けの目的が「判断軸の確認と、提案を通すための条件の把握」とされています。
質問は、期待される効果、試験導入の予算規模、効果を測る指標の優先順位、過去に似たツールを導入したときのつまずき、同僚との連携で調整が必要な点、経営層への説明で押さえるべき点などに及びます。
確認するのは、質問の抜けがないかと、相手と質問の組み合わせが合っているかの2点です。
例えば、技術の専門知識が必要な質問が上司向けに入っていれば、IT部門向けに移すよう頼めば、その場で直してもらえます。
ここまでで、聞く順番と中身が1枚にそろいます。

1本の質問リストを、ひな型として育てる
ヒアリングが終わったら、その日のうちに回答を足す
書籍では、ヒアリングが終わったら記憶が鮮明なうちに、各質問への回答をClaude Codeに貼り、論点を整理してもらう進め方が紹介されています。
賛成の意見、反対の意見、追加で調べる必要のある宿題に仕分けされ、次の段階の素材がそのままそろいます。
質問に回答を足していくことで、次に同じ相手へ聞くときの質問も、少しずつ精度が上がっていくと考えられます。
相手を替えて、同じ型で作り直す
3層の質問リストは、今回の相手だけで使い切るものではありません。
別の部署のキーパーソンや、ほかの取り組みで意見を聞きたい相手にも、関心ごとを入れ替えるだけで流用することができます。
「この質問リストを、別の部署向けに作り替えて」のように頼むだけで、相手の立場に合わせた版がすぐ手元に届きます。
経営者であれば、スタッフ向けと取引金融機関向け、あるいは取り組みごとの版を、同じ型から何度でも作ることができます。
1本の質問リストがひな型になれば、誰に話を聞くときも準備の負担が小さくなりそうです。

