頭の中に「なんとなく困っている」ことがあるのに、何が問題なのか言葉にできず相談も提案も先延ばしになっている場合があります。Claude Codeには、その困りごとを箇条書きで5〜10行渡すだけで、「現状の業務」「困っている場面」「現状の損失」「望む状態」「解決の仮説」の5項目に整理した1枚の「現状課題メモ」を、5〜10分で作ってもらうことができます。「課題」と「AIで解決できそう」という打ち手がセットで手元に残るので、そのまま相談の切り出しや、その後の企画書づくりの土台になります。
ひつじ・染谷昌利「あらゆる仕事が爆速化する Claude Code徹底活用術」(日本実業出版社)を読んで。
言葉にならないモヤモヤは、相談も提案も先延ばしにする
「困っている」のに、何が問題か説明できない
「業務が回らない」「同じ作業ばかりしている」と感じていても、何が問題なのかを言葉にできないことがあります。
その状態で上司や同僚、あるいは顧問の専門家に相談しても、「具体的にはどこが困っているの?」と聞き返されて話が噛み合わず、提案に踏み切れないまま時間が過ぎていきます。
経営者の場合も、相談相手が社内の上司ではなく、スタッフや取引金融機関、顧問税理士に変わるだけで、同じことが起きていると考えられます。
5つの項目に分けると、次の一手が見える
Claude Codeが作る現状課題メモは、次の5項目に分かれた1枚の文書です。
| 現状の業務 | どんな仕事を、どのくらいの頻度で行っているか |
|---|---|
| 困っている場面 | 具体的にどこでつまずいているか |
| 現状の損失 | 時間・品質・やる気に、どんな影響が出ているか |
| 望む状態 | どうなったら嬉しいか、という理想の姿 |
| 解決の仮説 | AI(Claude Codeのような道具)を使えば改善できそうな、打ち手の方向性 |
ここまで書かれていれば、「いま何に困っていて、何がどう変わればよいのか」を相手に説明できそうです。
特に最後の「解決の仮説」までが1枚に入ることになりますので、課題を並べて終わるのではなく、「こういう困りごとがあって、AIで解決できないか考えています」と、次に何をするかの話まで持ち込めます。

Claude Codeに1枚の課題メモを作ってもらう手順
手順1:困りごとを5〜10行、箇条書きで書き出す
整理された文章にする必要はありません。
頭の中で気になっている業務上の困りごとを、思いつくままに箇条書きで5〜10行並べるだけでよいとのこと。
分類もしなくてよく、「困っている瞬間」を思い出して書き出すことが出発点になります。
例えば、次のような粒度で十分そうです。
- 見積書を毎回ゼロから作っていて、過去の案件を使い回せない
- お客様とのやり取りがあちこちに散らばっていて、あとで探せない
- スタッフが似た調べものを、それぞれ別々に行っている
手順2:作ってほしい文書と5項目を伝えて、送る
仕事用のフォルダをClaude Codeで開き、書き出した困りごとと一緒に、次の3点を伝えます。
- 保存先と名前
「Claude導入提案」のような新しいフォルダを作り、その中に「01_現状課題メモ.md」という名前で保存してほしいと伝える - 使う場面
上司や他部署、経営者ならスタッフや専門家にも見せられる、1ページに収まるメモにしてほしいと伝える - 書いてほしい5項目
現状の業務から解決の仮説まで、先ほどの5項目をこの順で書いてほしいと伝える
取引先の実名や個人の情報が入る場合は、伏せるか置き換えて書いておくのが安全であると考えられます。
手順3:返ってきた1枚のメモを読み、仕上げる
送ると、Claude Codeが5項目に仕分けたメモを作って返してくれます。
書籍の例では、営業部のマネージャーが書き出した3つの困りごと(提案書づくり・議事録・顧客リサーチ)が、それぞれどのくらいの時間がかかっているか、どうなれば理想かまで整理されて戻ってきます。
さらに、3つに共通する原因として「情報が個人の中に閉じていて、毎回ゼロからやり直している」点が見つかり、その共通点をもとにした解決の仮説が3つ添えられていました。
最後には、この仮説が妥当かどうかは次に他社の事例を調べて確かめる、という次の一手まで書かれています。
読んで違和感があれば、「この項目に数字を足して」「ここは言い回しを変えて」と追加で頼めば、その場で直してもらえます。
手元に残るのは、課題と打ち手がセットになった「誰かに相談するときの1枚目の資料」で、ここまでの所要時間は書籍では5〜10分とされています。

1枚のメモがあると、何が変わるか
先延ばしにしていた相談を、切り出せるようになる
課題とAIで解決できそうな打ち手が1枚にそろっていると、「こういう困りごとがあって、AIで解決できないか考えています」と、具体的な言葉で話し始められます。
書籍では営業本部長への相談が例に挙げられていますが、経営者であれば、スタッフへの協力のお願いや、顧問の専門家・取引金融機関への相談に置き換えられます。
相談を受ける側も、メモを見れば現状と望む姿が分かるので、「何に困っているのか」の聞き取りから始めずに済み、話が早く進むと考えられます。
次に進むための土台になる
書籍では、この現状課題メモを出発点に、他社事例の調査、関係者へのヒアリング、論点の整理、企画書、稟議書、提案スライドへと進んでいきます。
メモの最後にある「解決の仮説」は、そのまま次の調査で確かめる対象になります。
仮説が妥当かどうかを調べて裏づけを重ねることで、提案の根拠が厚くなっていくという流れです。
稟議書や提案スライドまでは作らない小さな会社でも、事業の見直しやスタッフへの説明、金融機関への相談の下地として、使える場面は多いと思われます。
3か月ごとに更新して、変化の記録にする
現状課題メモは、書いた時点の現場の姿を切り取った記録です。
3か月後に、Claude Codeへ「前回のメモをふまえて現状を更新し、変わった点を強調して」と頼むと、改善された項目、新しく出てきた問題、変わらない根深い課題が並んで見えるようになります。
時系列で並べれば、メモは「いまの課題」を伝える資料から、「会社が動いているかどうかの記録」へと育っていきます。
同じテーマで定期的に手を入れるだけで、現場の声が経営の判断材料になっていけそうです。

