聞くことは、「ひたすら聞く」×「相づちを打つ」×「質問する」であると考えられます。
赤羽雄二「自己満足ではない「徹底的に聞く」技術」(日本実業出版社)を参考として。
”聞く”の構成要素
赤羽雄二「自己満足ではない「徹底的に聞く」技術」(日本実業出版社)によると、「聞く」の構成要素として、以下の掛け合わせであると説明されています。
「ひたすら聞く」 × 「相づちを打つ」 ×「質問する」
シンプルですし、当然といえば当然なのですが、どの要素も意外と難しいものです。
ひたすら聞く
”ひたすら”聞くことは、実は非常に難しいことです。
人対人で話す場合、話し手に考えや意見があるのと同様に、聞き手にも考えや意見が生まれます。
そして、聞き手は、聞いているうちに自身の頭のなかに考えや意見が生まれると、言いたくなるものです。
それを自然に任せておくと、最初は”話し手・聞き手”という構造でスタートしても、やがて”話し手・聞き手”、場合によっては、”聞き手・話し手”というように、相手の話を十分に聞けていないという状況になるものです。
ゆえに、”ひたすら”聞くとは、意識しなければできないことなのです。
”ひたすら”とは、余計なことを考えず、相手の言葉そのものを理解しようとすること、そして、以下を把握するように努めることだといえます。
- 相手は何を感じ、何を話しているのか
- 相手は何を言わんとしているのか
- 相手の話を理解しようと努めたとき、相手の説明で不足している部分と感じることはあるか
- 相手は特定の何かを避けようとしているのか、だとしたらなぜ避けようとしていると考えられるか
相づちを打つ
話が自然に流れていくように相づちを打つ、とは、とても難しいものです。
相手の話の流れを肯定的に受け入れながらきちんと聞いていないと、”自然に流れていく”にはならないからです。
そのため、”さすがですね”、”なるほどですね”などといった刺激の強い言葉は、わざとらしい印象を与えがちな言葉で、信頼を損なうことにも繋がるため、使いどころは非常に難しいと考えるべきかと思います。
あくまで、抑揚をつけつつ、相手の話が”自然に”流れていくように相づちを打つことを心がける必要があります。
質問する
質問にはセンスが出る、と感じます。
質問には、聞き手の”姿勢”がよく表れるのです。
相手を低く見ていたり、相手を試す気持ちを持っていたり、否定・批判・疑念といった気持ちを持っていたり、甘える気持ちを持っていたりすると、それは非常に分かりやすく”質問”に凝縮され、思っている以上に話し手や周囲に伝わるものです。
いたって自然体に、相手の話を真剣に聞いているときにごく自然に疑問が生まれてくること・事実関係を自分のなかで繋げるために必要なことを聞く、ということになります。
確認・関心・好奇心の観点から、相手の話が自然と進んでいくように、深く掘り下がっていくように。
また、質問するタイミングにも工夫が必要です。質問が後すぎるとリズムが崩れてしまうため、その場その場で、相手が一瞬止まった瞬間に、きちんと確認していくのが望ましいと思われます。