「初歩的な質問ばかりすると思いますけど」と言われたら

僕なら、「歓迎いたします」。

目次

これからの時代で必要となる能力と思うもの・思わないもの(私見)

テクノロジーの進化の流れと税理士

ITやAIなどテクノロジーの進化により、帳簿作成・申告書作成の部分は効率化されていくのではないかと考えられています。

帳簿作成について、20年のスパンで考えてみても、手書き→手入力→データ取込み、と進化しています。

データ取込みは設定を軌道に乗せるまでは大変苦労しますが、軌道に乗ると、効率化を実感します。

また、帳簿作成に税理士などの経理知識を持った人が要らなくなるかというと、それは同義ではありません。

その帳簿が合っているかどうか、データ取込みの設定が合っているかどうかをチェックし、判断するのは「人」であり、その判断には知識が必要だからです。

従前であれば、帳簿を作り上げて、申告書の作成、経営計画の作成までとなると、かなりのコストが必要だったと思いますが、現状出ているソフトを使用していけば、かなり効率的に対応することができるようになってきています。

一時期、税理士はAI化によってなくなる、と言われていましたが、AI化の内容と税理士の業務内容の双方を適切に把握している人ほど、「なくならない」ことを実感しているものです。

なくならないと実感するのは、税理士実務を行っている方は誰でも実感している通りではあると思うのですが、税理士は帳簿作成や税額計算のみを行っているわけでない、という事実があるからです。

価値観は変動していっている

税理士実務を行っていると、なんとなく「価値が置かれなくなっていっている業務」「価値が置かれていっている業務」の区分けができているように思います。

実際、現在もテクノロジーの進化によって、帳簿作成や税額計算や申告書作成は効率化されていくでしょうし、その延長線上に物事を考えていったとして、世の中の価値観の流れとしても、価値を感じてもらいづらくなってくるのではないかと思います。

一方、人と人とのコミュニケーションや説明の部分は、価値が置かれていっていることを実感します。

親身になってくれているか説明が分かりやすいか対応が丁寧か、などといった「人間的」な部分に関しては、現在も価値として徐々にクローズアップされていますし、その延長線上で見ても世の中の価値観の流れとして、重視されていくであろうことは肌で感じるところです。

テクノロジーが進化しても、最終的にそれを使っているのは「人」です。
事業を経営しているのも「人」です。

だいぶ長いスパンで考えていくと、あるいはAIが法的主体となって事業を経営することもあるのかもしれませんが、最近及び当面は少なくとも、「人」が社会活動の主役であることには変わりありません。

人に説明する、という能力

「初歩的な質問ばかりすると思いますけど…」
社長交代されたばかりの方や、役員についたばかりの方で、おっしゃる方がいらっしゃいますが、

むしろ歓迎します

とお答えしています。

人が分からないと感じていることに対して、その人のことを考え、その人にとって分かりやすく説明するということは、今後の時代の動向を考えても、能力として必要なものであり、今後ますます必要とされると考えるからです。

お客様との共通言語・共通認識をきちんと組み上げる

税理士の場合、お客様は経営者であることが多いです。

経営者は、依頼主でもありますし、あまり「分からない」と言いづらい立場でもあります。

しかし、そこで、分からない場合は素直に「分からない」と言って頂ける雰囲気を作ること、あるいは先方が醸し出している「分からない」雰囲気を感じ取ること、は、税理士の能力として重要になってくるのではないか、と考えています。

「分からないもの」に関しては、可能な限り丁寧にわかりやすく説明し、お客様との共通言語・共通認識となるものを、二人三脚できちんと組み上げていくよいきっかけと考えています。

経営計画の認識をお客様と共有するために

経営者は孤独です。

営業のこと、売上のこと、資金繰りのことを抱え込んでしまいがちです。

その経営者の頭のなかや独自の資金繰り管理を、経営計画に落とし込み、話し合うことができれば、経営者の孤独や不安も和らぐことができるのでは、と思います。

なので、「初歩的な質問ばかりすると思いますけど」と言われたら、僕は、歓迎しますし、分かりやすく説明できるよう尽力するようにしています。

佐賀県の吉野ケ里遺跡から見た夕日(過日撮影)。周囲にビル等がないので、本当に弥生時代に来たかのようでした。
時代ととも変わるもの・変わらないものがあると考えます。

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