【財務改善】資金調達は「銀行選び」で9割決まる!融資を引き出す2つの行動原理と付き合い方の極意

資金繰りで困っていた企業が、取引銀行を変えただけで状況が好転したという事例は少なくないように、銀行選びは経営の生命線です。銀行員が重視する「2つの行動原理」と、自社の成長フェーズに合わせた最適な「銀行の選び方・付き合い方」について。

目次

銀行を動かす「2つの行動原理」と融資の鉄則

銀行からスムーズに融資を引き出すためには、まず相手を知ることが重要です。

銀行には、一般企業の感覚とは少し異なる独特の「2つの行動原理」が存在します。

銀行独自の行動原理とは?

  1. お金がないところには貸さず、あるところに貸したがる
    銀行は利益を出すことと、資金を回収することのバランスを極めて慎重に見ています。”貸してほしい”と泣きつく企業よりも、”借りなくてもやっていけるが、貸してくれるなら借りたい”という余裕のある企業を好みます。
  2. 「右にならえ」が大好き
    ”他行が貸すならうちも貸す、他行が引くならうちも引く”という横並びの意識が強く働きます。したがって、”他行も貸したがっていて、今貸さないとシェアを奪われる”と銀行側に思わせることが、有利な交渉への第一歩です。

融資を受ける際の大原則

これらの原理を踏まえた上で、経営者が守るべき鉄則があります。

それは、基本的に、”頭を下げない、泣きつかない”です。

資金が枯渇してから銀行に駆け込むのではなく、手元資金が十分にあるうちに、借入限度額まで長期資金を借りて手元を厚くしておくのが正解です。

計画的な資金管理(予実管理)ができている企業こそが、銀行にとっての「優良企業」と評価されるのです。

自社に合うのはどこ?金融機関の特徴と使い分け

”どう銀行と付き合うか”よりも重要なのが、「どの銀行と付き合うか」です。

同じ業績であっても、金融機関の種類によって評価や対応は全く異なります。

金融機関ごとの特徴比較

各金融機関の特徴を理解し、自社のステージに合わせて使い分けることが肝心です。

金融機関の種類主な特徴とメリット注意点・備考
日本政策金融公庫
(国民金融事業)
・審査が早い
・小口融資に強い
・創業融資の第一選択肢
・創業時は自己資金が重要
(融資は自己資金の3~5倍が目安)
信用金庫・対応が柔軟
・担保評価が高め
・金利はやや高め
・「信用保証協会付き融資」が基本
地方銀行・地域経済を担う自負がある
・地元の情報に強い
・「保証協会付き融資」が基本
都市銀行・取引先が大手中心
・海外取引のノウハウが豊富
・中小企業の小口融資にはハードルが高い

初めての借入(創業融資)の黄金ルート

創業時や初めての借入で特に推奨されるのが、「日本政策金融公庫」です。

もし1行目で「銀行+信用保証協会」の融資を受けてしまうと、保証枠を使ってしまうため、2行目との取引を開始する際に「保証協会付きでお願いします」と言い出しにくくなるリスクがあります。

まずは公庫で実績を作り、温存しておいた保証協会の枠を使って、民間金融機関(信金や地銀)と取引を始めるのが賢い戦略です。

融資成功の鍵は「支店長決裁枠」と「組み合わせ」

最後に、より実践的なテクニックとして「支店長決裁枠」の活用と、複数行取引の重要性について解説します。

「支店長決裁枠」を狙ってスピード融資を実現する

銀行の融資には、支店長だけで判断できる金額(決裁枠)と、本部決裁が必要な金額があります。

支店長決裁枠の中に収めることで、審査スピードが上がり、融資が通りやすくなる傾向があります。

初回取引時の決裁枠と金利目安(参考)
  1. 日本公庫(国民生活事業): 1,000万円まで(金利 1.6%程度〜)
  2. 地方銀行(小)・信用金庫: 500万円まで(金利 1.9%程度〜)
  3. 都市銀行・地方銀行(大): 3,000万円まで(金利 1.16%程度〜)

「いくら借りたいか?」と聞かれた際は、この枠を意識して回答するのがポイントです。

複数行取引でリスクヘッジを

銀行取引においては、1行に依存せず、複数の金融機関と付き合い、適度な緊張感を保つことが重要です。

  • 政府系金融機関(日本公庫など)を1行は入れておく
  • 各行からの借入額を支店長決裁枠以下に抑えつつ、トータルで必要な資金を確保する

このように「先手」を打って計画的に銀行網を構築しておくことが、有事の際にも揺るがない強い企業財務を作ることになります。

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この記事を書いた人

長崎で活動する
税理士、キャッシュフローコーチ

酒井寛志税理士事務所/税理士
㈱アンジェラス通り会計事務所/代表取締役

Gemini・ChatGPT・Claudeなど
×GoogleWorkspace×クラウド会計ソフトfreeeの活用法を研究する一方、
税務・資金繰り・マーケティングから
ガジェット・おすすめイベントまで、
税理士の視点で幅広く情報発信中

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