結果は同じかもしれませんが、”売りたい”というスタンスの会社と、”お役に立ちたい”というスタンスの会社とでは、印象がまったく異なるものになります。
佐藤義典著「経営戦略立案シナリオ」(かんき出版)を参考として。
視点の違い
同じ”売る・売れる・売上”でも、その内容は、視点の違いによって異なるものになります。
「売りたい」と「顧客の役に立ちたい」とでは、顧客の購入前の印象も、購入時の印象も、購入後の印象もまったく異なるものになってきます。
”顧客”からすべてが始まる
”ビジネスモデル”などとカタカナで言ってみても、突き詰めれば、”売って利益を得る仕組み”であるといえます。
そして、事業を行うには、必ず「売上」が起点・源流であり、それがなければ他のいかなる要素も成立しないことになります。
「売上」から「お金」をいただき、それを「人」「設備」へと再投資し、さらにお客様を獲得することでさらなる「売上」を作っていく、という流れになります。
そして、その「売上」は、顧客という外部からもたらされます。
顧客という外部が、”買うと決めてお金を払う”という判断をしてその「売上」が作られます。
つまり、顧客がすべての基本であると考えられます。
”顧客”は何をもって購入決定するのか
では、顧客は何をもって購入の決定を行うのか。
顧客は、「顧客にとっての価値(ベネフィット)」を求め、それが満たされるものに対して、購入決定を行うものです。
つまり、顧客に対して、どれだけ「顧客にとっての価値(ベネフィット)」を提供できるか、ということに尽きるということになります。
顧客にとってのコストパフォーマンスを考える
さらに掘り下げて考えてみると、顧客は、コストパフォーマンスが取れるかどうかによって、購入決定を行います。
「顧客が支払う対価」に対して、「顧客が得る価値」が大きいと感じたものに対し、お金を支払うということになります。
- 「顧客が支払う対価」→買うための交通費、時間、体力、エネルギー、注文する手間、使い方を覚える手間など
- 「顧客が得る価値」→楽になる、美味しい、格好良くなる、周囲に認めてもらえる、満足感、充足感など
顧客にとっての”価値”とは何か
「顧客にとっての価値(ベネフィット)」とは、突き詰めると「人間の欲求」であると考えられます。
商品とは、「欲求を満たすための手段」であるとも考えられます。
(例:車→楽に移動できる、家族旅行の楽しさ、周囲が一目置かれるなど)