利益は増えているのに手元資金が少ない、、不思議といえば不思議ですが、原因はどのようなことが考えられるのか。
増山秀和著「資金繰りなるほどQ&A」(中央経済社)を参考にして。
利益は増えているのに、、
利益は増えているのになぜか手元資金が少ない、、
不思議といえば不思議なものですが、それには原因があるものです。
その原因の候補を知っておけば、対策を打つことができます。
利益は増えているのに手元資金が少なくなる原因
売掛金・買掛金
現金取引であれば、売上は即現金収入となり、買掛金は即現金支出となるため、利益は手元資金を正確に表現するものです。
しかしながら、実際には、「売掛金」「買掛金」のように、回収までに1ヶ月等のタイムラグがあったり、支払いまでに1ヶ月等のタイムラグがあったりするものです。
売上は即現金収入を表さない・仕入は即現金支出を表さない、となると、利益も手元資金を正確に表現するものではないということになります。
在庫
在庫は、現金を投下してできた”現金の塊”であると見ることもできます。
現金は投下したけれど、その「在庫」が大量に残っている場合、利益が上がっていたとしても、手元資金は薄い状態になっているということになります。
10万円以上の資産の取得
10万円以上の「資産」を一括で取得したとしても、その一括支出額はいっぺんに全額が経費扱いとなるわけではなく、減価償却という形で、分割で計算上の経費が立つことになります。
借入金の一括返済
借入金を一括で返済したとしても、その一括支出額は経費扱いになるわけではありません。
あくまで借りたものを返済しているにすぎないため、利益の計算には影響しないということになります。
減価償却費、引当金
減価償却費や引当金は、あくまで計算上の経費といえます。
現金を投下してから回収するまでにはタイムラグがある
「現金」→「在庫・減価償却資産」→「売掛金」→「現金」
という形など、現金を投下してから回収するまでには、かなり長いタイムラグがあります。
そのプロセスのどこに現金が滞留しているかを考えることで、改善策を考えることができます。