事業において、”無借金経営”はどこまでこだわるべきなのか。
諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。
目次
借金経営の方が危機に強い
以下の点において、借金経営のほうが危機に強いと考えられます。
何はともあれ手元資金がある
コロナ禍のような一過性の危機は、いつでも生じ得ると考えられます。
その際、その手元資金が自己資金であるか借入金であるかにかかわらず。何はともあれ手元資金があれば、危機を乗り切ることができます。
その危機が去った後に挽回するとして、一過性の危機を乗り切る・やり過ごすことができます。
金融機関と築いてきた関係性
すでに借入があれば、その金融機関と関係性をすでに築いているということになります。
会社の事業内容や基本情報を示す資料もすでに提示しているでしょうし、事業内容などの面でコミュニケーションを取っているでしょうし、月々の返済実績という形で信頼関係を築くことができています。
その関係性をベースにすれば、いざ危機になった際、迅速に金融機関に相談することができ、金融機関側も迅速に審査することができます。
また、金融機関側も、優遇金利などの制度融資などの情報提供をしてくれることになります。
融資の受け方を知っている
すでに借入があれば、基本情報を示す資料はすでに提出していますし、いざ危機になった際の融資申請においても揃えるべき資料も少なくで済むことになります。
さらに、融資を受けた経験があるのとないのとでは、いざ融資申請に必要な資料を揃えるときにストレスのかかり方もまったく異なるものになります。