銀行では、融資申請する企業の税務申告に添付している決算報告書の個別注記表・株主資本等変動計算書の何をどのように見ているか。
諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。
目次
銀行は税務申告書も見ている
銀行は、融資申請する企業から、決算報告書だけでなく税務申告書・勘定科目内訳書・概況書もあわせて預かるようにしています。
銀行が、税務申告書を見てどこまで内容が分かるかどうかについては個人差があるといわれていますが、融資申請資料として渡している以上、分かると考え、対処したり工夫したりしたほうがよいと考えられます。
また、決算報告書のなかでも、個別注記表や株主資本等変動計算書といった書類についても目を配っています。
個別注記表のチェックポイント
- そもそも作成されているか(会社法上、作成することとされている)
- 銀行が知りたい情報が記載されているか(作成者側も積極的に記載するようにする)
- 「中小企業の会計に関する基本要領」など採用している場合には積極的に記載されているか
- 担保付き債務→決算書の不動産が担保資産である場合、その旨が記載しているかどうか
- 繰延資産→支出時に全額償却するなどされていれば利益に自信があるとみられる
- 各種引当金→計上されるべき引当金が計上されているかどうか(貸倒引当金、賞与引当金など)
- 投資有価証券→時価が記載されていると含み損益が分かって安心できる
株主資本等変動計算書のチェックポイント
- 前期の決算書と当期の決算書との整合性は取れているか