より適正化する会計方針があるのであればぜひそのようにしていくべきものですが、そのことを銀行に理解しやすくなるようスムーズに伝えるにはどのように伝えればよいか。
諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。
適正化いろいろ
今よりももっとよいやり方があるのであれば、ぜひその方法を取り入れ、改善していきたいと思うものです。
例えば、以下のようなものです。
- 会計ソフトの変更
- 勘定科目の適正化(よりふさわしい科目への変更)
- 見つかった不適正を改めていく
銀行へどのように伝えるべきか
上記の適正化を、銀行へ伝わるように伝えるには、どのようなポイントを踏まえるとよいのか。
会計ソフトの変更
よりよい会計ソフトに変えていくことはよいことだと思われますが、銀行からすると、二重帳簿があるのではないかとも思われがちです。
そのため、会計ソフトを変える場合には、会計ソフトを変える理由を前もって明確に説明したほうがよいと考えられます。
勘定科目の適正化(よりふさわしい科目への変更)
勘定科目をよりふさわしい科目へ変更することもよいことだと思われますが、銀行からすると、前期比較がしづらいことを気にされる可能性があります。
そのため、勘定科目の使用方針を変える場合には、毎年トピックを決めて少しずつ進めながら、見直し内容を具体的に銀行へ提示するのがよいと思われます。
見つかった不適正を改めていく
不適正な状態を見つけたなら、それを適正な状態に改善していくこともよいことだと思われますが、銀行からするとこれまで特に粉飾していたのではないかなど不安がられる可能性があります。
仮に粉飾などという事態であった場合、銀行は一気に不信感を持ち、新規融資に応じない、既存融資の一括返済を求める、損害賠償を求める、保証付き融資が5年程度利用不能になる、リスケができなくなるなど、ほぼ融資取引ができなくなってしまうなどといったことになってしまいます。
そのため、「改めて決算書の内容を精査した結果、」など、適切なリカバリーであることを明確に説明したほうがよいと思われます。