融資の際の借入希望額はいくらにすべきか②

融資申請の際には、借入希望額を記載する欄があり、どのように決めてよいのか迷いがちです。

諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。

目次

”いくら借りられるのか”とは聞けない(聞いてはいけない)

融資を申し込もうとする際、「借入希望額」を記載したり、伝えたりすることになります。

ここで、銀行に対して”いくら借りられるのか”と聞くと、”計画性がないのではないか”という印象を与えてしまうことになってしまいますし、基本的に聞いてはいけないものではあります。

自社の事業計画において、「いくら必要なのか」が明確になっているべきものだからです。

融資タイプの整理

融資といっても、資金使途や返済原資によって、主に以下のような項目に分けられます。

  • 経常運転資金(継続的に事業運営していくために必要な資金)
  • 増加運転資金(売上拡大を要因として必要となる運転資金)
  • 設備資金(事業活動を行うために必要な設備を購入等するための資金)

”いくら借りられるのか”を自分で考えるには(経常運転資金)

「(売上債権+棚卸資産+仕入債務)-運転資金分の既存借入残高」

一般的に、事業を行うために運転資金が必要であることは明白ですし、売上入金を原資とする点で返済原資も明白であることから、銀行としても取り組みやすいのが「経常運転資金」であるといえます。

  • 銀行は、粉飾などがないか特に確認するため、前期比較・同業他社比較でもって審査する
    (=前期との違いがあれば、事前に説明をしておく)
  • 保証協会・公庫の場合の考え方:「平均月商or月間固定費×3」
    (=大雑把に見てくれているので、プロパー融資によりも多額の融資を受けられる可能性あり)
  • 「ファクタリング」→銀行融資を受けることが難しい場合の選択肢ではあるが、利用手数料が高いため、常用は避けたいところ

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