融資申請はいつするのがよいタイミングなのか。
諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。
目次
融資申請はいつするものなのか
事業における融資申請はいつするのがよいタイミングなのか。
なんとなくで考えてしまうと、「お金がなく困ったとき」と考えがちです。
ただ、お金を貸す側の立場で考えてみると、「お金がなく困ったとき」ほど、返済してもらえるメドが経ちづらく感じますしお金を貸しにくく感じるものです。
なので、「お金がなく困ったとき」というのは、融資申請のタイミングとしては逆に避けたいところということになります。
つまり、いつするのがよいタイミングかと考えると、すなわち「貸す側が貸しやすいタイミング」ということになります。
具体的には、以下のようなタイミングが考えられます。
- 税務申告終了直後
- 手元に資金が十分なとき
- 赤字転落前
融資申請のタイミング①税務申告終了直後
税務申告終了直後は、銀行もその決算書が欲しいと思うときでもあり、会うタイミングとしてまずちょうどよいと考えられます。
また、新しい期の事業の見込みをもっともイメージしやすく、1年間の必要な資金(融資が必要かどうかも含め)についても話しやすいと考えられます。
決算報告のポイント
銀行に決算書をもって決算報告を行う際、どのようなことを気をつければよいか。
- 銀行へ赴く(来訪に比べ、上長が同席する可能性が高くなる)。
- 決算書の追加資料:
①決算概要説明書、②借入金一覧表、③期首から2ヶ月分の試算表、④資金繰り表
(書類にして渡せば、銀行担当者も無下に扱うことができないため) - 報告は10分程度で全体要旨を行う。
- 何かご提案があればお願いします、と伝える。
決算概要説明書のポイント
- 決算の概要
(売上、売上原価、販管費、営業利益、当期純利益、資産総額、負債総額、純資産額、現預金額、借入金総額) - 前期との差額の要因
(ポジティブ/ネガティブ、取組内容) - 同業他社比較
- 現状の問題と対応策
- 今期の損益見込み、資金繰り見込み、借入計画
- 1年後の現預金残高が現在よりも増加するよう事業計画を立てる
- 役員貸付金の増加、仮勘定や前払費用の増加、株式の増加→銀行が嫌う項目なので、経緯や方向性を入念に説明する