経営計画書のポイント②

経営計画書を作成する際、どのようなポイントに注意すればよいのか。

諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。

目次

経営計画書があるとどうよいのか

融資申請の際、あわせて経営計画書を提出するとよいとされています。

これは、銀行の融資審査のポイント(定量評価、定性評価、実態評価)のうち、主に定量評価に使われる実績を示す資料(決算報告書・試算表)のほか、定性評価面での評価の補強を目的とし、経営計画書は有効であると考えられます。

経営計画書に何を記載すべきか

経営計画書にこれといった書式があるわけではないため、どのように作成するかは考えどころです。

項目

  1. 経営理念・経営方針
  2. 外部環境(チャンス・リスク)
  3. 内部環境(強み・弱み)
  4. 経営戦略(事業領域)
  5. 経営課題(PL面・BS面・その他)
  6. 行動計画(PL面・BS面・その他)
  7. 損益の実績+見込み
  8. 資金繰りの実績+見込み

分量

上記の「①経営理念・経営方針」~「⑤経営課題(PL面・BS面・その他)」までで、A4用紙1枚から2枚程度。

「⑥行動計画(PL面・BS面・その他)」でA4用紙1枚程度。
「⑦損益の実績+見込み」A4用紙1枚程度。
「⑧資金繰りの実績+見込み」A4用紙1枚程度。

分厚いものを作成しても、読む銀行側で時間がかかってしまいますし、最小限に押さえて、全体でA4用紙4枚から5枚程度が適切と考えられます。

経営計画書の作成ポイント②

行動計画

  • 行動計画あってこその数値計画、という位置づけ(行動の結果としての数字)
  • 進捗管理する(計画の見立てを立てて経営しているかどうか)
  • 「実行責任者」「スケジュール」「評価指標」を設定する
    (誰が、いつまでに、何をするのか)
  • 進捗会議を設定する

損益の実績+見込み

実績3年+計画3~5年といった中期計画が基本となります。

売上が大きすぎる計画を立ててしまい、仮にそれが実行できなかった場合、銀行からの信用を損なってしまうことから、下方修正するとしても20%以内におさめたいところです。
その意味でも、できるだけ保守的に

損益項目の下部に、以下の項目を織り込むとよいとされます。

  1. 簡易キャッシュフロー(税引後利益+減価償却費)
  2. 従業員数
  3. 借入金残高
  4. 現預金残高(平均月商の2ヶ月分以上となることが目安)
  5. 経常運転資金(売上債権+棚卸資産-仕入債務)
  6. 債務償還年数((借入金残高-現預金残高-経常運転資金)÷(税引後利益+減価償却費))
  7. 年間返済額
  8. 純資産
  9. 自己資本比率(20%以上が目安)

資金繰りの実績+見込み

実績3ヶ月+計画向こう1年といった短期計画が基本となります。

銀行への説明の順番

最初に、決算報告書(過去~現在)に基づいて決算書の内容の説明を行い、その後に経営計画書(現在~未来)の説明をしていくという順番になります。

先に経営計画書を説明しても、それは実績ではないことから、銀行側ではイメージが浮かびづらいと思われます。

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