銀行融資において、事業性評価という言葉を耳にするようになり、どのようなものなのか知っておくとよさそうです。
諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。
目次
事業性評価とは
- 事業性評価とは、財務データや担保や保証に依存せず、事業内容や成長可能性を評価するという考え方
- 最近、金融庁が銀行に対して求めるようになってきている(特に2019年金融検査マニュアル廃止以降)
- 銀行も、事業性評価に取り組まざるを得ない状況になってきている
- 銀行格付において、定性評価の加算要素となる可能性のあるもの
- 定性評価は曖昧なため活用できずにいたが、事業性評価は基準がある程度具体的で取り組みやすくなっている
- 決算書の内容が悪くてもよくなったわけではなく、依然として、よいに越したことはない
- 融資先へのヒアリングが必須になるが、借りる側である融資先に抵抗感があり、評価がなかなか進まない現状がある
- 事業性評価に興味を持つのは、決算書以外に加点を見出したい(=決算書がよくない)融資先が多く、銀行もなかなか進めきれない
事業性評価のメリット(会社側)
- 業績が悪いときでも、銀行に相談することができる
- 金利の引下げに繫がる場合がある
- 短期継続融資に繫がる場合がある
- プロパー融資が受けられる場合がある
- 経営者保証・担保を外せる可能性がある
会社側が上記のメリットを分かっていれば、銀行側にもどのようなスタンスで臨めばよいかも分かるようになります。
銀行側のヒアリングにも積極的に協力することで事業性評価の活用へと繋がり、上記のメリットを享受することへと繫がる余地も出てくると思われます。