金融仲介機能のベンチマークの活用価値

銀行の姿勢を見る方法として、「金融仲介機能のベンチマーク」という指標があります。

諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。

目次

金融仲介機能のベンチマークの活用価値とは

「金融仲介機能のベンチマーク」とは、金融庁が2016年に公表している指標で、金融機関における金融仲介機能の発揮状況を客観的に評価するものとして活用しようとしているものです。

金融機関の取組み項目として55の指標を設けており、うち5項目の共通項目、残り55項目の選択項目となっています。

2022年3月期以降は金融庁への報告は求めないものとなっていますが、まだ公表しているところもあります。

主なベンチマーク

主なベンチマークとして、以下があります。

  • 金融機関が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額及び全与信先及び融資額に占める割合(先発単体ペース)
  • 事業性評価の結果やローカルベンチマークを提示して対話を行っている取引先数及び左記のうち労働生産性向上のための対話を行っている取引先数
  • 中小企業向け融資のうち、信用保証協会保証付き融資額の割合及び100%保証付き融資額の割合
  • 経営者保証に関するガイドラインの活用先数及び全与信先数に占める割合(先数単体ベース)
  • 本業(企業価値の向上)支援先数及び全取引先数に占める割合
  • 運転資金に占める短期融資の割合

どのように活用するか

現取引銀行のほか、新たに取引したいと思っている銀行など複数の銀行で比べてみることで、各銀行の特徴をつかみやすくなります。

もし、その銀行の積極的に行っているとされる取組み(事業性評価融資、プロパー融資、短期融資、経営者保証解除など)に自社が漏れているとしたら、どのような条件が整えばよいのかなど、話し合ったり考えたりするきっかけを持つことができます。

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