融資検討、社長の個人資産を公開するとした場合の銀行側の意図・受け止めはどのようなものか。
諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。
目次
社長の個人資産公開は、格付けに関わる
中小企業においては、会社と社長とは一心同体であると考えられています。
よって、社長の個人資産があるかどうかは、銀行審査の実態評価においてプラス要素として扱われ、会社自身の格付けにも直接影響すると考えられます。
社長の個人資産を公開することと、実際に担保提供するかは別
社長の個人資産を公開するということと、その資産を実際に担保提供することとは別の話です。
公開すること=担保提供、というわけではないということをまず理解しておきたいところです。
そのうえで、社長の個人資産を公開することで、実態評価における加点を試みるかどうかを考えたいところです。
個人資産の伝え方
具体的に、個人資産をどのように伝えるとよいか。
個人資産においても、法人の場合と同じく、資産と負債とのバランスのなかで加点となるかどうかが検討されます。
よって、以下を取りまとめて伝えるとよいと考えられます。
- 預金:銀行名・支店名・種別・残高
- 有価証券:銘柄・数量・時価
- 不動産:所在地・種類・面積・評価額・担保状況
- 負債:相手先・種別・残高・年間返済額
銀行員が個人資産を尋ねてくるとき
銀行員が個人資産について尋ねてくるときとはどのようなときか。
融資審査における加点の可能性を探るため、と考えられます。
実際に聞かれると、警戒してしまいがちで、そのようなことまで教えたくない!と突っぱねてしまったり、情報を隠したりしがちですが、上記の意図を理解しておくことで冷静に考えて対応することも可能になります。