資金繰りの改善、具体的にどのように進めればよいか。
増山秀和著「資金繰りなるほどQ&A」(中央経済社)を参考にして。
どれだけたくさん気づけるか
資金繰りの改善を進めていくにあたっては、月ごとに、”売上・経費などの推移を見るクセをつけること”から始まります。
さらに、その推移を見たときにいかにたくさん”気づき”を得るかが重要になります。
1回に気づける量を増やすには研鑽が必要な部分もあるため、まずは回数そのものを増やすことから始めてみたいところです。
例えば、「年に1回」よりも「3ヶ月に1回」、「3ヶ月に1回」よりは「月に1回」。
気づき方
自社の過去との比較
自社において、前年同月と比較してどうであったか、前々年同月と比較してどうであったか、前々々年同月と比較してどうであったか。単月、累計ごとなど。
前期・3期・5期・10期など、過去と比較してみると、気づきを得ることができます。
目標との比較
目標を掲げてみて、その目標と比較してみると、”何がよくて上回ったか”・”何がよくなくて下回ったか”など比較してみると、気づきを得ることができます。
同業他社との比較
同業他社と比較してみることで、気づきを得ることができます。
経済産業省のローカルベンチマークなどが参考になります。
安全性はどうか?
自社の基盤の強さを示すものとして、「自己資本比率」が使われます。
自己資本とは、当初の出資金と過去稼得した利益の累積のことをいいます。一方、他人資本とは、金融機関からの借入などです。
全体(他人資本+自己資本)のなかで自己資本がどの程度あるかは、安全性に関わるところということにになります。
一般に、30%~40%ほどが目安といわれています。
他にも、「固定比率」や「固定長期適合率」などの指標が使われます。
支払能力はどうか?
支払能力が高ければ、事業を継続していくことができると考えられます。
それを示すものとして、「流動比率」が使われます。
流動負債(営業債務+1年以内返済債務)に対して、流動資産(手元資金+営業債権+1年以内回収債権)がどの程度あるか。
1.5倍(150%)程度が目安といわれています。
他にも、「当座比率(流動負債のうち当座資産の比率)」・「経常収支比率」などの指標が使われます。