物・サービスを売るには、お客様のことをよりリアルに知ることが大事であると考えられます。
西口一希著「実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)を参考にして。
売り手と買い手にはギャップがある
売り手と買い手のギャップ
事業において、売り手がどれほど魅力的な商品を開発してその魅力を訴えても、買い手がその魅力を魅力として捉えることができなければ、成約に繋がることがありません。
一方で、事業における”売り手”と”買い手”という異なる関係性において、”買い手”が「購入する」という一方的な決定権を握っているというのが現実です。
つまり、売り手が、買い手の立場や気持ちに寄り添うことなくして、買い手の気持ちに沿った商品の魅力を切り取ることはできず、よって、売上は伸びないということになってしまいます。
より具体的に、買い手が、生活のなかで何を考え、何を経験し、何を求め、何に困り、何を感じているかを知ることが、売上を伸ばす鍵を握っているといえます。
リアルとネットのパラレルワールド
現在においては、特にスマホの進展・発達により、常時ネットに繋がることができ、ネットの世界で長時間過ごすことができるようになってきており、ライフスタイルや価値観に大きく影響を与えるようになってきています。
従来のリアルな世界とは別に、ネット世界というパラレルワールドが展開されている状態です。
従来のリアルな世界においては、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などによって、一律な情報を発信することができていました。
一方で、ネット世界においては、その人それぞれが自由な内容・タイミング・長さで様々な情報に接しており、どのような情報にどの程度の長さや深さで関わっているか、どのようなことを感じたか、それによりどのような行動をしているかといった把握をきわめて難しくなってきています。
”なぜ顧客が動いたのか”を知る
顧客が、どのような情報に、どのような長さ・深さに触れ、どのようなことを感じ取り、どのような行動をしているのか。
従来のリアルな世界に加えて、ネット世界が大きく拡大してきているなかでは、パターンが無数化しており、顧客の心理を知るということがきわめて困難になってきています。
しかしながら、顧客の行動(”なぜ顧客が動いたのか”)を知るためには、顧客の心理を知る必要があります。
顧客の心理を知らずして、商品を売るための活動を行ったとしても、それはあたかも”博打”のようなものであるともいえます。
アイデアはまぐれでは生まれない
商品を購入してもらうための、”人を引きつける何か”というものは、アイデアによって生み出されると考えられます。
しかしながら、この”アイデア”というものは、西口一希著「実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)によると、限られた天才の閃きによってしか生み出されないのかというと、そういうわけでもないと考えられています。
つまり、”アイデア”というものは、まぐれで生まれるわけではないということになります。
ロイヤル顧客の具体的な経験と感想
”アイデア”は、内部の人間がいくら集まって会議室で会議をしたとしても、決して見つかることはありません。
なぜなら、「事業における”売り手”と”買い手”という異なる関係性において、”買い手”が「購入する」という一方的な決定権を握っている」ためです。
ということは、有効な”アイデア”を生み出すには、具体的に、相手方となるターゲットとなる顧客のなかでも最も理想に近い顧客を探し出して深堀りし、その顧客の「具体的な経験と感想」をリアルに知り、”何を知りたいのか、何を求めているのか”を知ることから始まると考えられます。