ターゲットとなるお客様のど真ん中にいる方の課題・悩みをとことん掘り下げていくことで、商品の強みの開発やアピールへと繋がっていくと思われます。
西口一希著「実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)を参考にして。
商品の「独自性」と「便益」
商品がお客様に受け入れられ、マーケットのなかで生き残っていくには、商品そのものの「独自性」と「便益」が必要であると考えられています。
- 商品に独自性はあるか
- 商品はお客様に便益をもたらすか
商品そのものに十分な「独自性」と「便益」が備わっていれば、それを活かしてアピールしていくことが可能です。
ターゲットのど真ん中にいる方を掘り下げる
商品に「独自性」と「便益」を見出すには、”誰に対して売るのか”が明確である必要があります。
そして、”誰に対して売るのか”が明確になったら、そのターゲットとなるお客様に対して、「独自性」と「便益」をどう見出すのかを深く掘り下げていくことが可能になります。
一般的に、その掘り下げ方は、肝心なお客様が不在になっていることが多いものです。
社内会議で”おそらくこうだろう”という想像で決めてしまっていたり、ターゲット顧客層を全体として見てしまう結果、ぼんやりしたありきたりな結論を出してしまったりします。
最もよいのは、そのターゲットとなるお客様のど真ん中にあたる1人ないしごく少数の方に、深くインタビューしたり、しっかり観察したり、言葉にならない感情を汲み取ったりすることであると考えられます。
1人に深堀りすることが、かえってたくさんの同じ層の方に受け入れられることに繫がるというのは、一見、逆説的ではありますが、合理的な展開といえば展開ではあります。
相手に寄り添う、深く知る、役に立ちたい、が原動力となる
ターゲットとなるお客様のど真ん中にあたる1人ないしごく少数の方に対して、その方のお困りごと・課題・言葉にならない不満・価値観を知るには、相当深く知ることが必要で、根気の要ることでもあります。
ただ表面的に聞き取りするのではなく、その方の言葉にならない感情までを正しく深くすくい上げ、ニーズを知る必要があり、”正しく深く知ろう”というモチベーションが必要になってくると考えられます。
それには、以下が原動力になると考えられます。
- 相手に寄り添う気持ち
- 相手を深く知りたいという気持ち
- 相手に役に立ちたいと思う気持ち
事業をすると考えるとついつい自分発信・自分都合で考えてしまいがちですが、結局のところ、他人の役に立つ・社会の役に立つ物こそが社会にとっての付加価値の創造になるわけですし、その付加価値の創造が金銭的な評価へとつながると考えると、”真摯に他人のことを考え、役に立とうと思う気持ち”が起点になると考えられます。