お客様の意向・動向を定期的に確認することで、どのような手を打っていけばよいかが分かるようになります。
西口一希著「実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)を参考にして。
顧客分類
お客様層は、以下のように分類することができます。
ロイヤル顧客(積極) | 大量にリピート購入してくれており、顧客として失うリスクは低い層 |
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ロイヤル顧客(消極) | 大量のリピート購入してくれているが、顧客として失うリスクが高い層 |
一般顧客(積極) | 購入量は少ないが、着実に購入してくれ、ロイヤル顧客となる可能性が高い ※購入量が少ない理由(他社のロイヤル顧客、リーチが少ない、独自性を感じてもらえていないなど)を解決すれば、ロイヤル顧客へと移行してくれる |
一般顧客(消極) | 購入力は少なく、離脱の可能性のある一過性のお客様 |
離反顧客(積極) | 商品のことは好きだが、何らかの理由で購入しなくなったお客様 ※購入しなくなった理由(競合にスイッチ、転居などでリーチできないなど) |
離反顧客(消極) | 競合にスイッチした・需要がなくなったなどで購入しなくなったお客様 |
認知・未購買顧客(積極) | 独自性・便益が浸透していない、購入のきっかけがない、リーチに入っていない、認知がないお客様 |
認知・未購買顧客(消極) | 独自性・便益が浸透していない、購入する理由やきっかけがないお客様 |
未認知顧客 | 商品の認知がなく、購入までのハードルが高いお客様 |
思わぬ競合に目を配る
競合は、必ずしも同業他社に限るものではなく、あくまでお客様にとっての”選択肢の束”であることから、異業種である可能性も十分にあり得ると考えられます。
自社が”マーケット”と捉え、競合と捉えている全体図のまったく外側から、突如、違った角度から侵食してくる競合がないとはいえません。
そのような意味でも、データや動向の分析にとどまることなく、常にターゲットのど真ん中にいるお客様との直接の対話を欠かさずにいたいものです。
そして、そのお客様との対話のなかで見えてきた、これまで視野に入れてきたことのない競合品・代替品の名前が出てくるようであれば、欠かさずチェックを行い、その対象に対する自社の強み・弱みを整理し、対応策を考えておく必要があると思われます。
値引きによる展開をどう考えるか
値引きによる展開は、即効性はあるものの、そのことによる展開が「プロダクトアイデア(独自性・便益)」を実感できるものでなければ次へと繋がらず、自社商品のブランド価値をおとしめてしまうリスクも強いものです。
一方で、多くの認知・未購買顧客の層に手に取ってもらえる大きなチャンスであるともいえます。
よって、「プロダクトアイデア(独自性・便益)」を十分に理解・実感してもらえるような施策・コミュニケーション・体験を同時に設計するようにしたいものです。
新規獲得コスト(投資効率)
新規顧客コスト・投資効率は、お客様層によって異なってくるものです。
例えば、認知・未購買顧客を購買へと繋げることと、未認知顧客を購買へと繋げることとでは、広告などの投資効率は変わってくるものです。
「認知」・「選んでもらえる価値づくり」がしっかりとできていれば、新規顧客コスト・投資効率もおのずと上がってくると思われます。