マーケティングにおける”アイデア”とは何か②

マーケティングにおいての”アイデア”とは。

西口一希著「実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)を参考にして。

目次

アイデアの2タイプ

アイデアは、以下の2タイプに分けられるといわれています。

プロダクトアイデア
コミュニケーションアイデア
  • 商品・サービスそのもの
  • 商品・サービスそのものに独自の機能や特徴がある
  • かつ、具体的な便益がある
  • 便益と繋がる独自性を維持すべくアップグレードしていく
  • 商品・サービスを対象顧客に認知してもらうための手段
  • プロダクトアイデアを対象顧客に伝え、購買行動を起こしてもらうためのコミュニケーション自体のアイデア
  • コミュニケーション自体に独自性があり、接すると便益が得られること
  • クリエイティブ(広告、イベント、キャンペーン)の独自性、注目に値すること
  • 広告に接すること自体が楽しい・面白い・心地よい

プロダクトアイデアを中心に考える

商品に「独自性」も「便益」もある場合

商品に「独自性」も「便益」もあれば(プロダクトアイデアがあれば)、コミュニケーションアイデアに独自性は不要と考えられます。

できるだけ多くのターゲット客に、ストレートに伝えれば、効果は出ると考えられます。

商品の「独自性」は弱いが「便益」が強い場合

商品の「独自性」が弱いものの「便益」があれば、コミュニケーションアイデアに独自性を持たせ、商品の「便益」をクローズアップすることができれば、良い結果が得られると考えられています。

商品の「独自性」も「便益」も弱い場合

商品の「独自性」も「便益」も弱い場合、コミュニケーションアイデアに独自性を持たせたとしても、一過性の売上を作るだけで終わってしまいます。

競合との戦い

時間が経つことで、マーケットは拡大していくものの、プロダクトアイデアにはいずれ競合が現れることから、独自性の喪失と戦っていく必要に迫られることになります。

大企業であれば、商品に独自性が弱くとも、便益さえあれば、コミュニケーションアイデアの工夫に大きくリソースを投下し、パッケージの形状・デザイン・ネーミングを工夫したり、CM・PR・店頭・ソーシャルマーケティング・インフルエンサーマーケティング・バズマーケティングなどへの展開を図ることで結果を出すこともできます。

しかしながら、中小企業の場合、そのような物量戦略は取れないため、プロダクトアイデアを常にアップデートしながら、そのプロダクトアイデアを理解・共感した経験を積み重ねていくことでコミュニケーションアイデアを工夫し、ありきたりとなることを避けていく必要があります。

あくまで、商品そのものに「独自性」と「便益」の両方を備えること(=プロダクトアイデア)が問われるといえます。

”本家本元”よりも、”いち早い認知形成”

お客様にとっては、”本家本元”であるかどうかよりも、”いち早い認知形成”のほうが重要と考えられます。

後発であっても、”~といえば~”というイメージを獲得したものが勝つ、というものです。

もし、売れていないという場合、プロダクトアイデアに問題があるのか、認知が不十分だからなのか、ということに関しては、よくよく考える必要があります。

成長の可能性

商品が売れていない場合、その商品に成長の可能性があるかを考えるにあたっては、以下の3つのポイントがチェックポイントになると考えられます。

そもそも知らない場合(未認知)

  • ターゲット層と訴求内容の見直し
  • メディア戦略の選択と集中の見直し

知っているが、買う理由・動機がない場合(認知&未購買)

  • ターゲット層と訴求内容の見直し
  • プロダクトアイデアの問題か、コミュニケーションアイデアの問題かを見極めて、アイデアを強化する
  • 便益に対する価格が適切か見直し
  • プロダクトアイデアのアップデート(独自性がないか、便益がないか)

知っていて買いたいが、販路がない・分からない場合(認知&未購買)

  • 販路の拡大強化
  • どこで買えるかということの認知の強化


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