マーケティングにおいての”アイデア”とは。
西口一希著「実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)を参考にして。
アイデアの2タイプ
アイデアは、以下の2タイプに分けられるといわれています。
プロダクトアイデアを中心に考える
商品に「独自性」も「便益」もある場合
商品に「独自性」も「便益」もあれば(プロダクトアイデアがあれば)、コミュニケーションアイデアに独自性は不要と考えられます。
できるだけ多くのターゲット客に、ストレートに伝えれば、効果は出ると考えられます。
商品の「独自性」は弱いが「便益」が強い場合
商品の「独自性」が弱いものの「便益」があれば、コミュニケーションアイデアに独自性を持たせ、商品の「便益」をクローズアップすることができれば、良い結果が得られると考えられています。
商品の「独自性」も「便益」も弱い場合
商品の「独自性」も「便益」も弱い場合、コミュニケーションアイデアに独自性を持たせたとしても、一過性の売上を作るだけで終わってしまいます。
競合との戦い
時間が経つことで、マーケットは拡大していくものの、プロダクトアイデアにはいずれ競合が現れることから、独自性の喪失と戦っていく必要に迫られることになります。
大企業であれば、商品に独自性が弱くとも、便益さえあれば、コミュニケーションアイデアの工夫に大きくリソースを投下し、パッケージの形状・デザイン・ネーミングを工夫したり、CM・PR・店頭・ソーシャルマーケティング・インフルエンサーマーケティング・バズマーケティングなどへの展開を図ることで結果を出すこともできます。
しかしながら、中小企業の場合、そのような物量戦略は取れないため、プロダクトアイデアを常にアップデートしながら、そのプロダクトアイデアを理解・共感した経験を積み重ねていくことでコミュニケーションアイデアを工夫し、ありきたりとなることを避けていく必要があります。
あくまで、商品そのものに「独自性」と「便益」の両方を備えること(=プロダクトアイデア)が問われるといえます。
”本家本元”よりも、”いち早い認知形成”
お客様にとっては、”本家本元”であるかどうかよりも、”いち早い認知形成”のほうが重要と考えられます。
後発であっても、”~といえば~”というイメージを獲得したものが勝つ、というものです。
もし、売れていないという場合、プロダクトアイデアに問題があるのか、認知が不十分だからなのか、ということに関しては、よくよく考える必要があります。
成長の可能性
商品が売れていない場合、その商品に成長の可能性があるかを考えるにあたっては、以下の3つのポイントがチェックポイントになると考えられます。
そもそも知らない場合(未認知)
- ターゲット層と訴求内容の見直し
- メディア戦略の選択と集中の見直し
知っているが、買う理由・動機がない場合(認知&未購買)
- ターゲット層と訴求内容の見直し
- プロダクトアイデアの問題か、コミュニケーションアイデアの問題かを見極めて、アイデアを強化する
- 便益に対する価格が適切か見直し
- プロダクトアイデアのアップデート(独自性がないか、便益がないか)
知っていて買いたいが、販路がない・分からない場合(認知&未購買)
- 販路の拡大強化
- どこで買えるかということの認知の強化